目次
顧問弁護士がなぜ企業に必要なのか
顧問弁護士とは
顧問弁護士とは、会社や自営業の経営者が、特定の弁護士・法律事務所と契約をして、継続的に相談をしたり、アドバイスをもらったりする弁護士のことをいいます。
具体的な問題が生じた段階になって相談、依頼する場合(いわゆるスポット契約)と違って、一定の期間、継続的に法的サポートを受けるというのが顧問弁護士の特徴になります。
顧問弁護士がビジネスにおいて必要な理由
会社を作ったり、ビジネスを始めたりするに当たって、日本の多くの会社、経営者がまず契約する士業は、税理士だと思います。
仕分けをしたり、決算書を作成したりといった、いわゆるお金の部分を税理士事務所と契約して税理士に任せることになります。
立ち上げたばかりの会社、従業員の人数が少ない中小企業のケースでは、「うちにはまだ顧問弁護士は必要ない」、「うちのような中小企業では顧問弁護士はいらない」という声をよく耳にします。
しかし、中小企業こそ、顧問弁護士が必要だといえます。
どんなビジネスでも、契約、取引が発生します。物を売るビジネスであれば、物を仕入れる際に仕入れ業者と契約をしますし、売る際にお客さんと契約をします。
飲食店であれば、お店を借りる際にテナントのオーナーと賃貸借契約を結びますし、来店するお客さんに食事を提供して代金をもらいますが、これも契約に当たります。
お客さんを経営者一人で対応することが難しければ、従業員を雇うことになりますが、これは雇用契約に該当し、やはり契約です。
それでは、契約を結ぶ際の指標になるものは何でしょうか?
ずばり、「法律」です。
そうすると、ビジネスをするということは必ず法律に関わることがあるということになります。法律の専門家は誰かといえば、税理士ではなく、「弁護士」なのです。
したがって、企業がビジネスをスムーズに進めていくためには、どのような規模であれ、法律の専門家である弁護士のサポートを受けた方がよいのです。
顧問弁護士がいることのメリット
顧問弁護士がビジネスにおいて必要な理由を解説してきましたが、実際に顧問弁護士がいることのメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか?
主なメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 安定的で攻めの経営に専念できる
- 被害を最小限に抑えやすい
- 有利な交渉や解決が期待できる
- 気軽に相談できる
- リーガルコストを軽減できる
以下、順に詳しくみていきます。
安定的で攻めの経営に専念できる
特に、中小企業は、大企業と異なり、しっかりとした法務部門がありません。
そのため、常に法的トラブルのリスクを背負っています。
ひとたび法的トラブルが発生すれば、事態は容易には解決せず、経営者や担当者の方が対応に追われ、社内は大混乱に陥ります。
顧問弁護士がいれば、そのような法的トラブルの発生を未然に防げる可能性が高まります。
なぜなら、法的対応を弁護士に任せることで、会社は弁護士の指示を受けて必要書類を整備したり、対応したりすることができます。
また、例えば新しいビジネスを始める場合などにあらかじめ弁護士に想定されるリスクや法的な問題点を確認しておくことで、スムーズにビジネスを進めることが容易になります。
顧問弁護士は、会社や経営者の方に本来的な企業活動に専念して収益を挙げてもらい、企業の更なる発展に尽くしていただくようにサポートしてくれます。
被害を最小限に抑えやすい
法的な問題が発生した場合、どれだけ早く動くことができるかが被害を拡大させない重要なポイントです。
初期対応が鍵になることが多くあります。
実際に、顧問契約のない会社の相談を新規で受けると、「もう少し早く相談してもらっていれば」と思うことは多々あります。
どうしても多くの弁護士は日々様々な案件を抱えているため、きわめて多忙です。
そのため、問題が発生してから、会社が弁護士に相談しようと動きだしても、相談の予約がすぐには取れないということが起こりやすいです。
このことで、被害が拡大することがあります。
しかし、顧問契約を締結している企業の場合、顧問弁護士は、たとえ多忙であっても、最優先で対応してくれます。
会社側も顧問弁護士として契約していれば、比較的気軽に弁護士に相談をすることもできるため、早め早めに連絡することもできます。
そのため、法的な問題が仮に起こっても、そこからの被害を最小限に抑えやすいというのが顧問弁護士がいることのメリットの一つです。
有利な交渉や解決が期待できる
法的なトラブルが発生した場合、相談者の業務内容や固有の事情によって採るべき解決策が変わってきます。
その会社にとって何がベター、ベストな解決なのかは当然違ってきます。
このとき、顧問弁護士でなく、スポットで契約をしている弁護士であれば、どうしても顧問弁護士と違って、会社の実情を十分に把握できていないこともあります。
顧問弁護士と継続的な関係を構築していれば、内情の理解度が深まるため、より的確な解決策を提案することが可能となります。
また、取引先などとの交渉の際、「顧問弁護士から、契約書を作るようにうるさく言われている」とか、「顧問弁護士から、契約書にこの条項を入れてくれとうるさく言われている」などと、顧問弁護士の意見として伝えることができ、会社が直接的に要求するケースと違って、顧問弁護士の存在がワンクッションとなって、取引先との信頼関係を崩さずに、有利な取引・交渉も可能となるでしょう。
気軽に相談できる
初めて会う弁護士には若干聞きづらいことであっても、顧問弁護士であれば、気軽に相談できるというのが顧問弁護士のメリットです。
気軽に相談できるからこそ、例えば、新たな取引をはじめるとき、生じうるリーガルリスクと回避法を相談したりできるのです。
多くの弁護士、法律事務所はスポットの法律相談の場合、事前に予約をして、なおかつ事務所に赴いて面談での相談が必要です。
しかしながら、顧問弁護士として契約をしておけば、事前の予約がなく、法律相談をすることができます。
その方法もまずは電話やメールなどの方法で相談することができるため、弁護士へのアクセスが非常に容易になります。
リーガルコストを軽減できる
法務部の設置等を行うのは会社にとって負担が大きいため、なかなか実行できずにいるというケースも多いと思います。
実際、中小企業では法務部を設置するのは現実的ではありません。
直接には利益を生み出さない法務部に優秀な法務担当者を採用し、法務部の機能を維持するのは企業にとってコスト負担が非常に大きいものです。
この点、弁護士、法律事務所と顧問契約を結んで、顧問弁護士を設置すれば、法務部門のアウトソーシングとして、事実上法務部を設置する以上のメリットを享受できます。
また、税法上、弁護士への顧問料は、全額損金として処理できます。
そのため、弁護士との顧問契約は、法務部員一人を雇用することに比べれば、極めて低コストなのです。
なお、現在、一部の大手企業では、司法試験合格者を自社の社員として採用するパターンも見受けられます(企業内弁護士)。
しかし、専門知識の程度、実務経験の豊富さ等は、法律事務所の弁護士の方が圧倒的に勝っており、顧問弁護士としての機能を持たせることまでには至らないでしょう。
むしろ大企業では、自社で行うべきことと顧問弁護士にサポートを求めることとを適切に分けて対応できるからこそ企業内弁護士を採用していると考えられます。
したがって、多くの企業は顧問弁護士のみをおくことでも十分にリーガルコストの軽減につながることになります。
顧問弁護士が役立つケースとは?
顧問弁護士がビジネスにおいて役に立つケースとしては、主に以下のような点が挙げられます。
契約書作成前の場面
これから契約を締結しようとする場面で顧問弁護士がいる場合、契約内容を弁護士に伝えることで契約書を作成してもらうように依頼をしたり、契約相手からもらった契約書の案をチェックしてもらうことができます。
契約書にサインする前に弁護士のチェックを受けることで、把握できていなかった問題点やリスクを把握することができ、どのように修正をするか、互いの立場から文言の修正はできない場合でもあらかじめ把握することにより対応策を検討したりすることができるのです。
クレーム対応の場面
取引先やお客さんからクレームを受けている状況で顧問弁護士がいれば、どのように対応すればよいかその都度アドバイスをもらいながら進めていくことができます。
どうしても会社だけで対応できない、弁護士が対応した方がよいケースであれば、スムーズに顧問弁護士に引き継ぐこともできます。
顧問弁護士がいなければ、クレームが大きくなってしまってから弁護士を探し始めるということになって、どうしても後手後手になりがちです。
従業員マネジメントの場面(雇用)
経営者や人事担当者は、日々従業員のマネジメントに苦労しています。
採用はもちろん、従業員間のトラブルや問題社員の対応、ハラスメント対策など様々です。
顧問弁護士がいれば、早め早めに相談することができるため、マネジメントの向上につながります。
顧問弁護士を利用することでのデメリットはある?
顧問弁護士を利用することによるデメリットとして考えられるのは、コストです。
顧問弁護士には毎月一定の顧問料を支払うことになりますので、金銭的なコストはどうしても発生します。
しかしながら、これまで説明してきたメリットからすると、この金銭的なコストは税理士などの他の士業と比べても大きなデメリットにはならないと考えられます。
スポットの弁護士への相談と異なり、継続して顧問弁護士として、弁護士、法律事務所と関係を築いておくことで、自社のことを理解してもらった上でスピーディーに対応してもらうことが可能になるとともに、何かあっても顧問弁護士がいるから大丈夫という安心感をもって、ビジネスを行っていくことができます。
良い顧問弁護士の探し方
それでは、実際に顧問弁護士を会社に導入しようと考えた場合に、どのようにして弁護士を探せばよいでしょうか。以下、良い顧問弁護士を探す、顧問弁護士を選ぶ際のポイントをいくつかお伝えします。
所属弁護士の人数、事務所の規模
顧問弁護士としてサポートしてもらうに当たっては、その法律事務所に所属している弁護士の人数が何人くらいいるかをチェックしましょう。
弁護士の人数が多い事務所の方が、①法律相談のしやすさ、②スピード、③対応力が人数の少ない事務所に比べて高いことが多いです。
③についてですが、一人の弁護士の意見よりも様々な経験をしている複数の弁護士が互いに意見を出し合うことが容易にできるため、より質の高いアドバイス、対応を受けることができます。
実績
顧問弁護士を探す際にポイントになるのは、やはりその弁護士、法律事務所が企業法務をどの程度取り扱っているかという実績です。
弁護士といえども取り扱っている分野が異なってきます。個人向けの問題がほとんどで会社の案件はあまり取り扱った経験がないというという弁護士もいます。
したがって、顧問弁護士を依頼しようとする事務所がどの程度、顧問弁護士として会社をサポートしているかどうか、どのような業種の会社が顧問先企業となっているかをチェックしてみるとよいでしょう。
相談時の対応
顧問弁護士としてサポートしてもらう前に、一度その事務所の法律相談を受けるというのも良い顧問弁護士を探すのに効果的です。
実際に弁護士と話をすることで、弁護士への相談しやすさ、事務所の雰囲気、アクセスの良さ、弁護士のアドバイス力などを知る機会になります。
どのように顧問弁護士を活用していきたいかが明確な企業であれば、そのイメージを弁護士と共有できるかどうかを、相談を通じて確認するのがよいでしょう。
また、顧問弁護士の活用について、まだあまりイメージできていない企業であれば、ざっくばらんに話をすることで、その事務所の顧問弁護士としてのサポート体制を確認することが有益です。
デイライト法律事務所の顧問サービスの特徴
当事務所は、トラブルがあった場合にのみ対応するのではなく、トラブルの発生を未然に防止するが重要な任務と考えています。
例えば、就業規則や労働条件の見直し等を提案し、予防法務の体制構築をお手伝いいたします。
企業法務の中でも、特に労務問題に詳しい弁護士が貴社を担当しますので、労務管理を適切にし、従業員とのトラブル等から貴社を守ります。
また、当事務所は、大手の経営コンサルティング会社と連携をしておりますので、経営に関するご相談も可能です。
このような守り・攻めの両方について相談が可能な法律事務所は少ないですので、上手にご活用頂けたら幸いでございます。
弁護士の顧問料はこれまで月額5万円と画一的なものでした(弁護士会旧報酬規定)。
しかし、リーガルサービスを必要とする状況は、中小企業から大企業まで様々であり、決して同じではありません。
当事務所では、それぞれの状況に応じた、最適なリーガルサービスを提供したいとの思いから、無料からでも利用可能な顧問サービス(デイライトプラス)を始めました。このサービスは、これまでにない革新的な試みです。
デイライトプラス(DAYLIGHT+)についてはこちらからどうぞ
企業様において顧問契約(有料会員)をご締結していただいた場合、契約企業様は何回でも相談料は無料です。
また、顧問契約をご締結していただいた企業様の関連会社も、別途顧問契約を締結していただくことなく、原則として無料で法律相談が可能です。更に、契約企業様だけでなく、役員・従業員様の法律相談につきましても、無料とさせていただいております。
顧問契約を締結頂いた場合、事案に必要となる契約書や法律文書の書式を提供しております。
例えば、よく使う契約書等の書式を提供させていただき、社内で作成頂いた上で、弁護士がチェックする、というやり方をとることで、弁護士費用の節約にもなります。
顧問契約をご締結いただいた場合には、ご希望の企業様には、法律相談だけではなく、各種の法律問題に関するセミナーや研修会も行います。
当事務所では、顧問先企業様に対して労務問題、会社法、株主総会対策、事業承継などのセミナー・研修会を原則として無料で提供しております。
企業様で起こる諸問題には、一般的な法律問題だけでなく、税務・会計・登記・知的財産権等、様々な問題が深く交錯してくることが多いものです。
当事務所は、公認会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士など、それぞれの分野に精通する他資格の専門家と深く交流があり、日頃より連携して多くの業務を行っております。
したがって、事案に応じて、それぞれの分野の専門家と連携して迅速かつ適切な処理を行うことが可能です。
「顧問弁護士がついている」ことをアピールできると、企業の信頼関係が増したり、敵対的な勢力を牽制したりすることができます。
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