弁護士コラム

持ち株比率の重要性 −株主の権利

その他

株式の重要性

株式会社にとって、株式は非常に重要です。

まず第1に、株式は株式会社の資金調達の一つであるという点です。

株式会社の資金調達の方法としては、株式の発行、社債の発行、金融機関等からの借入れが主に挙げられますが、社債や金融機関等からの借入れと比較して、株式は長期的な関係を前提としたものと捉えることができます。

第2に、上記に関連して、株式は単純なお金の貸し借りではなく、会社の意思決定に議決権を行使する形で参画できるという点です。

もちろん、投資家の中には、短期的に大量の株式を売買して、利益を得ている人もいます。こうした場合には、議決権を行使して、企業活動に関わるという意識は低いと考えられます。

しかしながら、株主は配当という最終的な目的を達成するために、取締役の選解任や合併の是非など、自己の意思を会社に反映させることができます。

その意味で、株主は企業にとって、最も重視すべきステークホルダー(利害関係者)と考えられています。

IT企業のイメージ画像以前に、ライブドアがニッポン放送に対し、敵対的なTOB(株式公開買付け)を行いました。

これはニッポン放送の持ち株比率を上げることで、ニッポン放送の子会社であるフジテレビの経営に参画する意図があったと考えられています。

また、最近では、大塚家具が創業者(父)と現社長(娘)のどちらを代表取締役とするか、委任状合戦を行っていました。

これも代表取締役を含めた役員人事を最終的には株主が判断して決定することができることを現しています。

 

持ち株比率と行使できる権利

このように、株式会社にとって、持ち株比率というのは、円滑に企業活動を行っていくためには非常に重要なものであるといえます。

それでは、具体的にどの程度の持ち株比率を維持しておく必要があるのでしょうか。これについては、各企業の規模や株式を公開しているかどうかによって異なってきます。

したがって、どの程度の持ち株比率を保有していれば、何ができるのかを把握しておくことが大切です。

 持ち株比率が1%を超える株主に認められている権限
取締役会設置会社における株主総会の議案請求権(定款で定めがない限り、6か月以上の保有が必要)(会社法303条2項)

 持ち株比率が3%を超える株主に認められている権限
株主総会の招集請求権(定款で定めがない限り、6か月以上の保有が必要)(会社法297条1項)
会計帳簿の閲覧及び謄写請求権(会社法433条1項)

持ち株比率が33.4%(3分の1)を超える株主に認められている権限
株主総会の特別決議を単独で否決する権限

持ち株比率が50%(2分の1)を超える株主に認められている権限
株主総会の普通決議を単独で可決する権限(会社法309条1項)
→ 取締役の選任、解任をはじめとして、会社の意思決定のほとんどを自ら行うことができる。

持ち株比率が66.7%(3分の2)を超える株主に認められている権限
株主総会の特別決議を単独で可決する権限(会社法309条2項)
以下のようなものが挙げられます。
● 自己株式の取得に関する事項の決定
● 募集株式の募集事項の決定
● 事業譲渡(会社法467条1項)
● 合併や会社分割といった組織変更の決定

 

このように、持ち株比率が高まるにつれて、当然ですが行使できる権限が大きく異なってきます。中小企業においては、株主総会の特別決議を通すことができる3分の2以上の持ち株比率を維持しておいた方が安定した経営ができるといえます。

中小企業の場合には相続によって、株式が分散するリスクもあり、定期的に株主の状況をチェックする必要があります。

株主構成については、以上の視点を加味した上で、専門家である弁護士と相談すべきことも多いです。

相談のイメージ画像株式や株主構成について、お困りのことがあればお気軽にデイライト法律事務所の企業法務チームの弁護士に相談してください。

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