オペレーションの意義
企業活動におけるオペレーションとは、「業務連鎖」のことです。
企業活動は、調達、生産、営業などさまざまな機能がありますが、ほとんどの業務は一つの機能で完結できるものではありません。
例えば、一人の顧客に対するには、コールセンターだけではなく、営業部門やアフターサービス部門の関与が必要となります。
オペレーションとは、このような機能や部門を超えた業務のつながりや連携のことを指します。
経営は、大別すると、①ビジョン、②競争戦略、③オペレーションの3要素で構成されています。このうち、オペレーションは、競争戦略を実行し、優位性を構築するための基盤となるものです。
これを人間の体に例えると、①ビジョン=心、②競争戦略=頭、③オペレーション=体になります。
この3つは、それぞれが相互に影響を及ぼしあっており、一つでも不十分なものがあれば、競争上の優位性を確立することは困難となります。
オペレーショナル・エクセレンスを実現させる
人には、足が早い者、絵がうまい者など、得意・不得意があります。
企業活動におけるオペレーションにも、スピード、正確性などの得意・不得意があります。
このような企業が得意とするオペレーションを「組織能力」(ケイパビリティ)といいます。
そして、これを最大限に活かして策定した競争戦略のことを、ケイパビリティ・ベースド・ストラテジーといいます。
また、オペレーションを競争上の優位性にまで徹底的に磨き上げている状態を、オペレーショナル・エクセレンスといいます。
このオペレーショナル・エクセレンスを誇る企業は、PDCA(Plan-Do-Check-Action)による進化のサイクルが確立されています。
例えば、トヨタは、ジャスト・イン・タイムという生産方式(必要な品物を、必要なときに、必要なだけつくる)を確立し、そのシステムを進化させ続けているといわれていますが、これがトヨタが最強のモノづくり企業であり続ける理由と考えられます。
オペレーションの品質を計る
人の体が測定可能なように、企業の体であるオペレーションも測定可能です。
オペレーション品質を測定するには、①スピード、②正確性、③コスト、④継続性という4つのものさしを使います。
スピード | 対応スピードの向上や期間短縮 |
正確性 | ミスの防止や業務品質の向上 |
コスト | トータルコスト管理による一連のコストの最小化・最適化 |
継続性 | 粘り強く、継続的にオペレーションを進化させているかどうかのチェック |
そして、上記の4つのものさしを、それぞれの部門やプロセスにおいて、より具体的な指標に落とし込んだものを、KPI(Key Performance indicators)といいます。
また、KPIの状況をITを活用して視覚的に把握することができる仕組みをKPIコックピットといいます。
企業経営では、まずこのKPIコックピットによって、全体をチェックし、問題点があればその箇所を重点的にフォローすることがポイントとなります。
企業としての体制整備
KPIによって、個々のオペレーションの品質をチェックするだけでなく、企業全体としてオペレーショナル・エクセレンスの体制が構築されているか否かを把握することも重要です。
オペレーション・エクセレンス企業となるためには、以下の4つがチェックポイントとなります。
①PDCAによる進化のサイクルが確立されている | まず、業務マニュアル・業務ルールといった業務スタンダード(Plan)を整備する。 |
②顧客本位と効率性のバランスがとれている
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顧客の要望だけに振り回されてしまうと効率性が阻害されて高コスト体制となってしまう。 そのため、顧客本位と効率性をともに充足させる。 |
③ITを活用している
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業務の自動化、効率化を推進する。
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④経営トップから末端の社員までオペレーション改善の重要性を意識している | ITはツールにすぎない。 オペレーションの進化の源泉は社員の知恵や工夫である。 |
顧問弁護士の活用
通常、弁護士は法的な助言しかできません。
デイライト法律事務所の企業法務チームは、顧問先企業のビジネスを理解し、サポートするために、経営大学院において経営学を学んでおり、法的なサポートのみならず、経営に関するサポートも可能です。
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