弁護士コラム

ウッドショックとは?トラブル防止のために取りうる対策を弁護士が解説

その他
執筆者
弁護士 阿部尚平

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士


 

ウッドショックとは

現在、アメリカでは、政策金利が実質0%とされた影響により、住宅ローン金利も低くなり、多くの人が新しく家を建て始めています。

アメリカでの木材需要が急増することとなった結果、輸入材の多くがアメリカに流れるようになりました。

その影響で、日本では輸入材を使うことが難しくなり、多くの業者が国産材を使用することになりました。

しかしながら、国産材の数にも当然限りがあります。

これまで輸入材を使用していた業者が国産材に流れたことによって、国産材も不足することとなりました。

その結果、輸入材と国産材の両方の価格が高騰し、調達が困難な状況となったのです。

この現在の状況のことを、一般にウッドショックと呼んでいます。

 

ウッドショックが住宅建設業界に与える影響

ウッドショックの影響により、木材の調達が困難な状況になりますから、当然一番大きな影響があるのは住宅建設業界です。

これまで調達できると考えていた木材が調達出来ず、納期に間に合わないという状況に陥る可能性があります。

また、仮に木材を調達することが出来たとしても、予定していた価格よりも大幅に高い価格で調達せざるを得ない結果、工事が赤字になることも想定されます。

住宅建設業界においては、予期せぬウッドショックにより、納期や請負代金の変更に関する施主とのトラブルも生じるなど、既に業務・経営に大きな影響が生じています。

 

トラブル防止のために取りうる対策

木材の入手が困難なのであれば、既存の契約自体を解除することが出来ないか、ということも考えられます。

しかしながら、木材は一般的に種類物とされており、種類物の場合、世の中に同じ種類の物が存在している限り、債権が消滅することはありません。

履行不能を理由として契約解除をすることは困難といえます。

また、民法の一般原則として、事情変更の原則というものがあります。

これは、契約の成立後にその契約の基礎となっている事情に当事者が当初予見出来なかった著しい変化が生じ、元の契約内容をそのまま履行させることが当事者間の衡平を損ない、信義に反する結果となる場合は、契約内容の改定または解除が認められるというものです。

しかしながら、事情変更の原則が実際に認められる事例は非常に限られており、ウッドショックへの対応として事情変更の原則に頼ることは難しいと考えられます。

結局のところ、ウッドショックに関して、施主等とのトラブルを防止するために取りうる主な対策は次の2つとなります。

 

施主との合意書

既に考えたとおり、ウッドショックを理由として既存の契約を解除することは難しいでしょう。

そうすると、既に契約を締結してしまっている案件については、既存の契約書の内容に縛られることとなり、業者側の負担が著しく大きくなることが想定できます。

この場合、施主との間でウッドショックに関する合意書を取り付け、請負代金の変更や納期の調整、調達可能な材料への変更などをお願いすることが望ましいでしょう。

 

契約書の刷新

施主との合意を取り交わすという手段は、あくまでも話し合いがまとまった場合に可能な手段です。

そのため、仮に施主との合意がまとまらない場合、施主と交わした契約を前提に業務を行わざるを得ません。

しかしながら、契約書の条項次第では、請負業者側から契約解除を申し出ることや、請負代金変更の余地を残しておくことでウッドショックに対応することが出来る可能性があります。

これからの契約については、ウッドショックが続くことを前提に、柔軟に対応可能な条項を設けることが求められていると考えるべきでしょう。

 

弁護士への相談をオススメするケース

契約書を見直したい場合

ウッドショックがいつまで続くのかの見通しは極めて不透明です。

しばらくは現在と同じ状況が続くということも十分考えられます。

そうすると、今後の新規契約においては、ウッドショックに適応するべく、契約書の条項を見直すことを検討するべきです。

たとえ、現在の条項において、請負代金の増額請求に関する明文の規定を置いていたとしても、日本全体が不景気である等の事情を前提としている場合、今回のウッドショックには対応できない可能性があります。

条項の具体的な文言によって対応できる幅も異なりますので、自社で契約書に手直しをするよりも、住宅建設業界の事情を把握している弁護士に契約書の作成を依頼するべきでしょう。

契約書のチェック・新規作成に関する企業相談については、こちらをご覧ください。

 

企業の再生や倒産を検討している場合

既にウッドショックの影響を強く受けてしまい、企業の再生や倒産を検討されている場合も、弁護士に相談をすることをお勧めいたします。

ウッドショックによる木材価格の高騰により工事が赤字となってしまったとしても、事業再生の余地が残されている場合には、法律・財務・経営の観点から弁護士のサポートを受け、経営を立て直すことが出来る可能性もあります。

また、事業の継続を断念する場合でも、事実上の廃業という形ではなく、適切な方法を選択することで、取引先やステークホルダーに迷惑をかけることなく事業を終えることが可能となります。

企業の倒産・再生に関する企業相談については、こちらをご覧ください。

 

相談の流れ

ウッドショックの問題でお悩みの方は、まずはお電話で法律相談をご予約ください。

お電話でお金をいただくことはございません。

福岡オフィスか北九州オフィスのどちらかをご希望頂き、面談若しくはオンラインにて弁護士が丁寧にご相談をお受けいたします。

弊所では企業の方の初回相談は無料で承っております。

企業法務に注力した弁護士が対応させていただきますので、まずはお気軽にお電話ください。

 

 


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