弁護士コラム

内容証明が届いたらどう対処すれば良いか?

その他

内容証明簡易書留取引先の会社の代理人弁護士から、昨日、内容証明が届きました。

この内容証明は、以下のような内容で、売買代金を請求するというものでした。

この内容証明に対して、どう対処すれば良いのでしょうか?

 

通知書

当社は、貴社に対し、平成28年6月4日付売買契約に基づき、支払日を同年8月末日と定めて、機材一式を金 200万円で売り渡しました。
しかしながら、貴社は、そのうち 50万円を支払ったのみで、残金 150万円の支払いを怠っております。当社も再三、請求を行って参りましたが、貴社からは誠意ある対応をいただけておりません。
つきましては、上記 250万円の支払いを改めてご請求いたしますので、本書面到達後、10日以内に下記預金口座に全額をお支払ください(口座省略)。
もし上記期間内に全額のお支払いがなく、何らの誠意ある対応もいただけないときは、誠に遺憾ではございますが、福岡地方裁判所に対し、売買代金請求訴訟を提起せざるを得ません。その際には、上記 200万円のみならず、支払期日以降に発生した遅延損害金及び訴訟費用についても貴社にご負担いただくことになりますので、ご承知おき下さい。

 

 

やるべきこと

事実関係の確認

話し合いかかる内容証明郵便を受け取った場合、会社がまずやるべきことは、事実関係の確認です。

大きな会社になると、担当者レベルでの確認に時間がかかることがありますので、速やかに事実関係を聴取することが必要です。

上記の売買代金については、事実調査の結果、会社の主張が明らかになると思います。

典型的な会社の主張としては、例えば

① そもそも契約を締結していない。
② 契約を締結したけれども納品がなされていない。
③ 契約を締結して納品もなされているのは間違いないけれども、売買代金はすでに支払済みである。
④ 契約を締結して納品もなされているが、その商品に欠陥があったので、契約を一部解除した。そのため、残金150万円を支払っていない。

などが挙げられます。

 

弁護士に相談

会社の主張を明らかにしたうえで、次に会社が行うべきことは、弁護士に相談することです。顧問弁護士がいれば、顧問弁護士に第一報を入れましょう。

例えば、弊所の場合、顧問弁護士は、顧問先の相談には最優先で対応いたしますので、ある程度時間に融通はききますが、顧問弁護士がいないという場合には、早めに弁護士に相談の予約を入れることが大切です。

なぜ、弁護士に相談することが必要かというと、相手方の請求に対して、会社の主張は法的にどういう位置づけになるか、その主張は通るのかということの見通しを把握できるからです。

見通しを把握しないままに、相手方の会社の代理人弁護士に主張しても、それは、素手で鉄砲に立ち向かうようなもので、非常に危険です。

六法全書例えば、上記の主張について

① 売買契約自体の否認
② 同時履行の抗弁
③ 弁済の抗弁
④ 債務不履行解除

法的にはこのように整理できます。主張を整理したうえで、その主張を裏付ける証拠資料は何があるのかというを確認するのがセオリーです。

いずれにせよ、今後の進め方については、弁護士からアドバイスをもらうことで、会社の利益を最大化することが可能になります。

 

期限は守らなくてはならないのか?

ところで、上記の内容証明では、一方的に「本書面到達後、10日以内に」全額を支払うように記載があります。

この点、150万円を一括で支払えと言われた場合、仮に相手の言い分が正しかったとしても、「ちょっと待ってください」と言いたくなると思います。このケースに限らず、資金繰り等の時間が必要になるのが通常だと思います。

カレンダーとペンでは、期限は守らなくてはならないでしょうか。

この点、ここで記載されている期限は、相手方が一方的に決めたものですので、必ずしも守る必要はありません。

ただし、期限を守らないと相手方は、訴訟等の法的措置をとってくる可能性は多分にあります。

そこで、オススメは、期限内に一度、相手方に連絡を入れておくことです。

その内容としては、
「現在、弁護士に相談中なので、回答については、2週間待ってください。」
「弁護士に依頼しようと思うので、弁護士からの受任通知を待ってください。」
などと回答しておくのが良いでしょう。

このような回答をもらって、一切、応じる意向はなく、即、訴訟を提起するという弁護士はほとんどいません。

注意しなくてはいけないのは、その連絡の中では、具体的な回答を行わないことです。具体的な回答を口頭で伝えるのは非常に難しく誤解も生じやすいので、避けるべきです。具体的な回答は、弁護士と相談のうえ、文書で行うようにした方が良いでしょう。

弁護士竹下龍之介内容証明郵便が届いたからと言って、おそれる必要はありません。慌てることなく、粛々と上記の手順にしたがって適切な対応をすれば良いのです。

その際は、ぜひ、顧問弁護士等の親身になってもらえる弁護士に相談されると良いでしょう。

 

 


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