ありふれた写真であれば、勝手に使ってもいい?

  
執筆者
弁護士 本村安広

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士・ITパスポート

ITこれからプレゼン資料を作成しようと思っているのですが、聞く方々がイメージを持ちやすいように、個人のサイトに掲載されている写真をダウンロードして使用しようと考えています。

写真はありふれたものなので、問題はありませんよね?

 

弁護士本村安宏この質問について、IT事業に詳しい弁護士がお答えします。

写真は著作物にあたるのか

写真が著作物にあたるといえる場合は、著作権法上の保護を受けることになります。

動画や写真では、写真は著作物といえるのでしょうか。

というのも、写真撮影する際の被写体は、同じ場所から撮影すれば同じものが撮影されるのであるから、創作性(独自性といいかえることもできます)が認められず、著作物とはいえないのではないか、という点が問題となるからです。

著作物性についてはこちらをご参照ください。

裁判所は、写真は著作物であると考えています。

なぜなら、被写体の選択、組み合わせ、配置について工夫がなされるため、創作性を否定することはできないからです。

そのため、創作性がたとえ低いとしても、著作権法上の保護を受ける(=著作権侵害行為をしていないか気をつけなければならない)ということになります。

なお、絵画等を正面から撮影した写真については、その絵画の様子を忠実に伝えることに主眼がおかれ、撮影そのものに独自性が出るものではありませんので、著作物とはいえないとする裁判例があります(東京地裁平成10年11月30日判決「版画の写真事件」)。

 

個人サイトに掲載されている写真をダウンロードして使用する行為

仕事する男性この行為は、著作権法上「複製」(著作権法21条)にあたります。

そのため、複製権侵害となり著作権侵害ということになります。

 

「引用」(著作権法32条1項)ということはできないか

上記の行為が、「引用」であるといえれば、例外的に著作権侵害とは評価されません。

「引用」が認められるためには、以下の要件が満たされていなければなりません。

チャックボックス①引用される著作物が公表されていること
②公正な慣行に合致すること
③報道、批評、研究、その他の引用の目的上正当な範囲で行われること

このうち、②、③については、一般的に「明瞭区別性」「主従関係」「引用の目的・必要性」を基準として裁判所は判断しているといわれています。

プレゼン本件でいえば、ご自身のプレゼン資料における文章等の説明があくまで主であり、それと明確に区別した上で、ダウンロードした写真があくまで従たる位置づけでしかないものといえなければなりません。

また、この写真を利用する必要が真にあるのかどうか、言い換えれば、単に見栄えを良くする程度の意図しかなければ、③の要件を満たしませんので、引用とは言えない可能性があります。

一方で、比較検討にとって真に有用であるからこそその写真を利用する、ということであれば、③の要件を満たすため、「引用」と認められる可能性が出てきます。

 

著作権侵害といわれないために

ポイントここまでみてきたように、「引用」の要件を満たせば問題はありませんが、そうでなければ、著作権侵害のリスクは否定できません。

そのようなリスクを回避するためには、著作者の許諾を得ておくことを考えておくべきです。

 

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執筆者
弁護士 本村安広

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士

所属/福岡県弁護士会

保有資格/弁護士・ITパスポート

専門領域/法人分野:IT関連分野・労務問題 個人分野:離婚問題

実績紹介/福岡県屈指の弁護士数を誇るデイライト法律事務所の弁護士。IT関連分野に注力し、システム開発の受発注における契約内容の整備などをサポートしている。著書「働き方改革実現の労務管理」。その他、メディアからの取材実績もあり。

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