クレーム対応のポイント【弁護士が解説】

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者

 

クレームとは

企業の皆様はクレームと聞くと、どのように感じるでしょうか?どちらかというとネガティブなイメージがある方が多いのではないでしょうか?

しかしながら、「クレーム」とは、英語の「claim」に由来する言葉で、もともとは「主張」、「正当な請求」という意味があります。

つまり、クレームというのは本来的には、企業が提供する商品やサービスに対する顧客の正当な意見といえます。

「お客様からのクレームは、宝である」という言葉もあるとおり、クレームというのは、自社の商品やサービスをよりよいものにするために必要不可欠といっても過言ではありません。

顧客の側からしても、製品やサービスを受けた企業に対して、よりよいものを提供してほしいという期待があるからこそ、自分の感じている意見を企業にフィードバックするのであって、改善を期待していないのであれば、そのままその企業との関わりをやめることだってできるはずです。

 

 

クレーム対応の重要性

企業にとってクレーム対応を適切に行うことは、自社の商品やサービスをよりよいものにし、競争力を高め、競合他社との差別化、優位性を維持する為に必要かつ重要なものであるといえます。

もっとも、企業の「お客様対応窓口」や「CS(カスタマーセンター)」で実際にクレーム対応に当たっている従業員の中には、

 

  • そもそも感情的になっている顧客にどのように対応したらよいかわからない
  • できればクレームはこないでほしい
  • 対応を誤って余計に怒らせてしまった

 

 

といった悩みを抱えていることも多くあります。

特に、近年はツイッターやフェイスブックや各種口コミサイトといったSNSやインターネットが普及し、誰もが自由に企業を評価することができるようになっています。

そのため、企業にとって、クレームに適切に対応するということの重要性はますます高まっている状況です。

 

 

 

クレーム対応のポイント

重要性を増しているクレーム対応をどのように行っていけばよいかということについて、日々トラブルを解決する専門の弁護士がいくつかポイントを解説します。

内容を見極める

クレームには、先ほど説明したとおり、本来的な意味でのクレーム(顧客からの正当なフィードバック)もあれば、「最初から過大な要求をする」、「そもそも無理難題を求める」といった、いわゆる悪質なクレーマーのようなクレームもあります。

したがって、顧客からのクレームにどのように対応するかを検討するに当たっては、具体的なクレームの内容が、顧客側の立場から考えて正当なものといえるのか、それともちょっとした企業側の落ち度につけこんで、自分が優位に立とうとしているのかという点を見極めることが必要です。

このときの視点として大切なことは、やはり「お客様=顧客」の目線に立つことです。

もし、自分が同じ立場に立ったら、企業に何らかの改善を求めるかどうか、求めるとしてどのような対応を期待するのかということを考えることです。

このときに、いくら何でもその要求は法外なものである、そもそも無理難題であると考えられるものであれば、それはクレームという体系を装った悪質なクレームです。

したがって、まずは顧客のクレームの内容を見極めることが大切なポイントとなります。

こうした姿勢があれば、顧客の声にまずは耳を傾ける(傾聴する)という姿勢が出てくるため、顧客にもマイナスな印象が伝わりにくくなるでしょう。

 

初期対応の重要性

弁護士本村安宏画像また、クレームは初期対応が非常に重要になってきます。

初期対応を誤ってしまうと、対応がすべて後手後手に回ってしまって、解決の道筋が見えなくなってしまいます。

逆に、初期対応がしっかりできれば、顧客としても、「速やかに対応してくれた」、「自分の意見を汲み取ってくれた」と感じ、かえってCS(顧客満足度)が上昇することもでてきます。

その意味でも、スピード感は大切な要素になります。

もちろん、クレームによっては、事実調査に時間がかかるものもありますし、安易に企業側が非を認めることができないケースもあります。

しかしながら、できる限り速やかに対応し、顧客に対して、「人間味をもって対応する」ということで、多くのクレームは円満に解決することができると考えられます。

 

最終的な解決方針

上述のとおり、傾聴する姿勢はとても大切で、クレーム対応の基本といえますが、他方で、「ただ単に話を聞く」だけでは、クレーム対応としては不十分といえます。

すなわち、クレームの多くは、「話を聞いてほしい」というだけでなく、企業に何らかの改善を期待しているからです。

そうだとすれば、具体的なクレームに対して、企業としてどのような解決方法が取れるのか(あるいは取れないのか)、どのようにしてクレームを解決に導くのかというゴールを意識しておかなければなりません。

トラブルを解決するのを仕事とする専門家である弁護士は、様々な立場の思いを考慮して、どのように解決をするのがベストなのかということを常に考えています。

 

 

クレーム対応を弁護士に依頼すべき理由

クレームの内容の見極めのサポートができる

先ほど解説したクレーム対応のポイントの一つである、クレームの内容の見極めを弁護士にアドバイスしてもらうことができます。

担当者では、どうしても正当なクレームと悪質なクレームの線引きが難しいということもあります。

専門家である弁護士に相談することで、顧客の要求事項が法的に妥当なものであるかどうかをチェックすることができるため、その後の対応方針を立てる上で有益といえます。

 

初期対応をしっかりと検討できる

クレーム対応は初期対応が重要です。最初から弁護士が交渉窓口になるべきかどうか、それともサポートを受けながら、企業自身で対応をしていくのかという点も含めて、初期対応をどのように行っていくかのアドバイスを弁護士から受けることで解決可能性を高めることができるでしょう。

弁護士というと、トラブルがこじれてから相談すればいいと思われている方もいらっしゃいますが、誤りです。

弁護士としても、トラブルが生じた(生じそう)な段階で相談していただいた方が選択肢が多く、アドバイスできることも多いのが実情です。

 

悪質なクレーマーには毅然とした対応を取ることができる

クレームの中には、やはり悪質なクレーム(クレーマー)があります。

こうした悪質クレームに対しては、安易に寄り添ったりせず、毅然とした対応を取ることが必要です。

しかしながら、企業の担当者では、どうしてもこの点が難しいことが多いのが現状です。

したがって、企業からみて外部の顧問弁護士に依頼することで、弁護士が専門的な立場で、毅然とした対応を取ることができ、悪質なクレームに企業が時間を取られることを防ぐことができます。

 

 

まとめ

クレーム対応は、企業にとって非常に重要であり、その重要性もますます高まってきています。

クレーム対応を適切に行うことによって、企業価値を高めるためにも、専門家である弁護士に相談することが大切です。

クレームは日々発生します。そのため、タイムリーに相談し、スピード感をもって対応していくためには、顧問弁護士の存在は欠かせないといえます。

   
執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属/福岡県弁護士会

保有資格/弁護士・入国管理局申請取次者

専門領域/法人分野:労務問題、外国人雇用トラブル、景品表示法問題 注力業種:小売業関連 個人分野:交通事故問題

実績紹介/福岡県屈指の弁護士数を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。労働問題を中心に、多くの企業の顧問弁護士としてビジネスのサポートを行っている。労働問題以外には、商標や景表法をめぐる問題や顧客のクレーム対応に積極的に取り組んでいる。

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