弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

「扶養家族(ふようかぞく)」とは、主に生計を維持している人に養われている家族・親族のことです。
扶養には「税法上の扶養(扶養する本人の税金(所得税、住民税)が安くなる)」と「社会保険上の扶養(扶養家族の社会保険料が免除されて0円になる)」の2種類があり、それぞれ年収の上限や対象となる親族の範囲が異なります。
では、扶養家族になるための年収の壁はいくらなのでしょうか。
- 税制上の扶養:2026年(令和8年)税制改正により、「123万円の壁」から「136万円の壁」へと引き上げられました。
- 社会保険上の扶養:原則「年収130万円(または106万円)」です。
この記事では、扶養家族となる条件や範囲、メリット・デメリットなどについて弁護士が分かりやすく解説していきます。
目次
- 1 扶養家族とは?
- 2 扶養家族の種類
- 3 【税法上の扶養】条件・対象範囲と令和8年最新「136万円の壁」
- 4 実は「扶養家族」ではない?妻・夫に適用される配偶者控除とは
- 5 税法上の扶養家族となるメリットとデメリット
- 6 【社会保険上の扶養】条件・対象範囲と「130万円の壁」
- 7 【2026年以降】社会保険の扶養基準はどう変わる?変更点を解説
- 8 社会保険上の扶養家族となるメリットとデメリット
- 9 扶養家族に入るための手続きと必要書類
- 10 履歴書における扶養家族
- 11 いくらまで働ける?年収の壁と働き損にならないボーダーライン
- 12 こんな時どうする?ケース別の扶養判定Q&A
- 13 扶養家族についての注意点
- 14 扶養家族についてのQ&A
- 15 まとめ
扶養家族とは?

「扶養家族」とは、主に生計をになっている人が養っている、自分の稼ぎだけでは生計を立てられない家族・親族のことを指します。
「妻が夫の扶養に入る」「子どもは親の扶養家族である」といった使い方がなされています。
家族を援助している、扶養している側のことを「扶養者」といい、援助を受ける側のことを「被扶養者」といいます。
扶養家族には大きく分けて「税法上の扶養家族」と「社会保険上の扶養家族」の2種類があり、それぞれ「年収の上限(壁)」や「対象となる家族の範囲」などの条件が全く異なるため、正しく理解しておかないと、働きすぎて損をしてしまうリスクがあります。
次章から、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
扶養家族の種類
扶養家族には大きく分けて2つの種類があります。
「税法上の扶養家族」と「社会保険上の扶養家族」です。それぞれ条件となる年収の基準や、対象となる親族の範囲が大きく異なります。
どちらの扶養に入るかによって、受けられるメリット(税金の軽減や社会保険料の負担なし)が変わるため、それぞれの違いを正しく理解しておくことが重要です。
税法上の扶養家族
税制上の扶養家族(扶養親族)がいると、扶養する人(納税者)にかかる税金(所得税、住民税)が軽減される仕組みとなっています。
扶養家族がいる場合に、所得から一定額を差し引くことを扶養控除(ふようこうじょ)といいます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・扶養する側の税負担が減る ・扶養される側が所得税を負担する必要がない ・会社から扶養手当が支給される |
・働き方に制限がかかってしまう可能性がある |
税法上の扶養家族における控除額
税法上の扶養家族による扶養控除額は、所得税は38万〜63万円、住民税は33万〜45万円です。
具体的には以下の表のとおり、扶養される親族が16歳以上18歳以下、23歳以上69歳以下の場合は所得税38万円(住民税は33万円)、特定扶養家族である19歳以上23歳未満の場合は所得税63万円(住民税は45万円)、老人扶養家族は同居していない場合は所得税48万円(住民税は38万円)、同居の場合は所得税58万円(住民税は45万円)です。
| 区分 | 所得税控除額 | 住民税控除額 | |
|---|---|---|---|
| 一般の控除対象扶養家族(16歳以上18歳以下、23歳以上69歳以下) | 38万円 | 33万円 | |
| 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) | 63万円 | 45万円 | |
| 老人扶養親族(70歳以上) | 同居老親等以外の者 | 48万円 | 38万円 |
| 同居老親等 | 58万円 | 45万円 | |
引用元:扶養控除|国税庁
引用元:住民税の所得から差し引かれる金額(医療費控除・生命保険控除・配偶者控除・扶養控除など)|調布市
社会保険上の扶養家族
社会保険上の扶養家族(被扶養者)は、保険料を支払っている扶養者の社会保険(健康保険、国民年金)に加入している家族のことをいいます。
社会保険上の扶養家族に入ると、健康保険料を自分で払う必要がなくなります。
さらに、配偶者(妻や夫)の場合は、国民年金保険料の支払いも免除されます。
つまり扶養者一人分の保険料のみで、そのほかの扶養家族の保険料負担がないということです。
健康保険(公的医療保険)は健康保険(健保)と国民健康保険(国保)の2種類に大別されます。
会社員や公務員などの勤め人の多くは健保に、個人事業主や従業員5人以下の小規模事業所などで働いている人は国保へ加入するのが一般的です。
ただし、家族を社会保険上の扶養に入れられるのは、健康保険(健保)に加入している家族のみです。
国民健康保険(国保)には扶養認定がないため、収入がないまたは少ない場合でも、国民健康保険料を納付する必要があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・扶養家族は保険料を負担せずに健康保険に入れる ・扶養する人の社会保険料は増えない ・扶養家族は国民年金保険料を負担せずに年金を受給できる |
・扶養の範囲内で働く必要がある
・年金の受給額が低くなる |
履歴書における扶養家族は?
履歴書で扶養家族の有無を聞かれた場合は、健康保険上の被扶養者数を記載するのが一般的です。
「扶養家族数」欄に書く人数は、自分を含めずに扶養している家族の人数を記入します。
「配偶者」欄は婚姻関係にある人の有無で判断し、「配偶者の扶養義務」があるかは、被扶養者の対象範囲を参考にし、該当する場合は「有」、該当しない場合は「無」にチェックをいれます。
【税法上の扶養】条件・対象範囲と令和8年最新「136万円の壁」
税金(所得税・住民税)を安くするための「税法上の扶養」に入れるには、以下の4つの基本条件をすべて満たす必要があります。
- ① 親族の範囲:配偶者以外の親族(6親等内の血族、3親等内の姻族)などであること
- ② 生計を一にしている:別居でも、常に生活費や学費の仕送りを行っていればOK
- ③ 年収の基準:年間の合計所得が基準以下(給与収入のみなら年収136万円以下)であること(※令和8・9年分最新改正)
- ④ 専従者ではない:家族の事業の手伝いをして、専従者給与をもらっていないこと
ここからは、特に重要な「親族の範囲」と「最新の年収の壁」について、詳しくみていきましょう。
どこまで対象?扶養に入れる親族の範囲
税法上の親族の範囲は非常に広く、「6親等内の血族」と「3親等内の姻族」まで含まれます。
- 1親等:父母、子供(一番よくあるケース)
- 2親等:祖父母、孫、兄弟姉妹
- 3親等:叔父・叔母(父母の兄弟)、甥・姪
- 4〜6親等:いとこ(4親等)や、はとこ(6親等)なども、条件を満たせば実は扶養に入れられます。
別居していても「仕送り」があれば扶養の対象に!
「生計を一にする」とは、必ずしも一緒に住んでいる必要はありません。
たとえば、「地方の大学に仕送りしている子ども」や、「実家で年金暮らしをしていて、毎月生活費を仕送っている両親」なども、経済的な依存関係が証明できれば税金上の扶養に入れることができます 。
【2026年最新】所得税が変わる「136万円の壁」の仕組み
これまでは「103万円の壁」や「123万円の壁」として知られていましたが、最新の令和8年税制改正大綱により、税制上の扶養ライン(所得税)は「年収136万円(令和8・9年分)」に引き上げられました。
つまり、パートやアルバイトの給与収入が年間136万円以下であれば、本人は所得税がかからず、世帯主(扶養者)も満額の扶養控除を受けることができます。
(※15歳以下のお子さんについては、中学校卒業まで児童手当が支給されるため、所得税の扶養控除の対象外となります )
【年齢別】いくら安くなる?扶養控除額の一覧表
養う家族の年齢や同居の有無によって、扶養者(あなた)の税金がいくら安くなるか(控除額)が変わります。
| 区分(12月31日時点の年齢) | どんな人が対象? | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|
| 一般の扶養親族(16歳〜18歳、23歳〜69歳) | 高校生の子どもや、働いていない親族など | 38万円 | 33万円 |
| 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) | 大学生の子どもなど(教育費がかかるため優遇) | 63万円 | 45万円 |
| 老人扶養親族(同居)(70歳以上) | 同居している70歳以上の父母・祖父母など | 58万円 | 45万円 |
| 老人扶養親族(別居)(70歳以上) | 別居して仕送りをしている70歳以上の父母など | 48万円 | 38万円 |
(※海外に住んでいる「非居住者」の親族を扶養に入れる場合は、年齢が30歳以上70歳未満であれば、留学している場合や38万円以上の送金証明がある場合などに限り対象となります )
実は「扶養家族」ではない?妻・夫に適用される配偶者控除とは
一般的に「妻を扶養家族に入れる」とよく言いますが、実は税金の世界では、妻や夫は「扶養家族(扶養控除)」の対象には含まれません。
配偶者には、別枠で「配偶者控除」または「配偶者特別控除」という、より手厚い仕組みが用意されています。
「私の年収だと、夫の税金はいくら安くなる?」という基準(年収の壁)を、令和8年の最新情報にアップデートして分かりやすく解説します。
(※控除を受ける世帯主本人の合計所得が1,000万円を超える場合は、これらの控除は一律で対象外となります )
パート主婦の新しい基準!「136万円の壁」(配偶者控除)
最新の令和8年税制改正大綱により、配偶者控除が満額受けられるラインは従来の123万円から「給与年収136万円以下」へと引き上げられました。
妻(夫)の年収が136万円以下であれば、本人の所得税はかからず、夫(世帯主)も最大38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)の配偶者控除を満額受けることができます。
(※籍を入れていない内縁関係・事実婚のパートナーは、税金上の配偶者控除の対象外となるため注意が必要です )
【一覧表】夫の年収別・配偶者控除の金額
夫(世帯主)の所得によって、受けられる控除の金額が以下のように変わります。
| 夫の合計所得(給与年収の目安) | 一般の妻(70歳未満) | 老人の妻(70歳以上) |
|---|---|---|
| 900万円以下(年収約1,095万円以下) | 38万円控除 | 48万円控除 |
| 900万〜950万円(年収約1,095万〜1,145万円) | 26万円控除 | 32万円控除 |
| 950万〜1,000万円(年収約1,145万〜1,195万円) | 13万円控除 | 16万円控除 |
136万円を超えても一気に税金は増えない「配偶者特別控除」
「年収が136万円を1円でも超えたら、夫の税金が一気に跳ね上がるの?」と不安になる必要はありません。
136万円を超えた配偶者のために、税負担が急増しないよう段階的に控除を受けられる配偶者特別控除という制度が用意されています。
【令和8年最新版】配偶者の年収に応じた控除額の変化
配偶者の給与年収が引き上げられたことに伴い、配偶者特別控除が受けられる上限もスライドしています。
年収が約211万円(令和8年最新基準)に達するまでは、以下のように一定の控除を受けることができます。
- 年収136万円〜約148万円まで:夫は「配偶者控除」のときと全く同じ満額38万円の控除を受けられます(実質、ここまでは働き損がありません)。
- 年収約148万円を超えた後:年収が増えるにつれて、36万円、31万円、26万円と夫の控除額が段階的に減っていきます。
- 年収約211万円を超えた時:ここで完全に控除額が0円になり、夫の扶養枠から完全に外れることになります。
税法上の扶養家族となるメリットとデメリット
税法上の扶養(扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除など)を適用・利用する場合、扶養する側(納税者)と扶養される側(家族)の双方にメリット・デメリット(注意点)が存在します。
なお、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」は根拠法令・要件が異なる別の制度ですが、実務上あわせて検討されることが多いため、それぞれの影響を踏まえて把握しておくことが重要です。
税法上の扶養家族となるメリット
税負担が減るというのが最大のメリットです。
一定の要件を満たす扶養親族等がいる場合、納税者の総所得金額から一定額の所得控除(扶養控除等)が差し引かれます。
これにより、所得税および住民税が安くなり、世帯全体としての手取り金額が増加します。
会社の就業規則・給与規定によっては、「税法上の扶養親族」であることを手当の支給条件に設定しているケースがあります。
税法上の扶養要件を満たすことで、給料に手当が加算されるメリットが生じます。
税法上の扶養家族となるデメリット・注意点
税法上の扶養に入るためには、被扶養者側の年収の壁(給与所得控除後の合計所得金額制限)を意識する必要があります。
扶養の範囲内に収めるために勤務時間やシフトを調整せざるを得ず、被扶養者自身のキャリア形成や自己の収入アップが制限されることがあります。
高校生以上(16歳以上)の親族や高齢の親などは扶養控除の対象となりますが、16歳未満の児童については所得税の扶養控除制度が適用されません(児童手当の支給制度等との兼ね合いによるものです)。
そのため、年少扶養親族がいくら増えても所得税の直接的な節税効果はありません。
高齢の親を税法上の扶養親族に入れたり同世帯にしたりする場合、税金(所得税・住民税)自体は安くなりますが、医療費や介護サービスの自己負担額が上昇するリスクがあります。
高額療養費制度の自己負担限度額や介護保険の自己負担割合は、世帯や扶養者の所得水準等に応じて判定されます。
そのため、「税金が安くなった金額以上に、親の医療費や介護費用の負担が増えてしまった」という逆転現象が起きる場合があるため注意が必要です。
税法上の扶養(年収要件等)と、社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養要件は一致していません。
税法上の控除を受けようと意識するあまり、社会保険の加入基準(いわゆる106万円・130万円等の壁)を超えてしまうと、被扶養者自身に社会保険料の支払義務が発生し、世帯全体の手取りが一時的に減少する(手取りの逆転現象)リスクがあります。
税金面でのメリット(節税効果)だけに目を奪われると、社会保険料の負担増や医療・介護費の自己負担上限額の上昇により、かえって家計全体で損をしてしまうケースも見受けられます。
扶養の可否を検討する際は、「税法上」と「社会保険上」の両面からトータルの損益をシミュレーションすることをお勧めします。
【社会保険上の扶養】条件・対象範囲と「130万円の壁」
健康保険の扶養家族になるための条件
社会保険上で扶養の対象となる人のことを「被扶養者」といいます。
健康保険では、被保険者が病気になったりけがをしたときや亡くなった場合、または、出産した場合に保険給付が行われますが、その被扶養者についての病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます。
被扶養者の対象となるのは、以下の要件を満たす人です。
これらの方は、必ずしも同居している必要はありません。
- ① 被保険者の三親等以内の親族(上記「1」に該当する人を除く)
- ② 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
- ③ ②の配偶者が亡くなった後における父母および子
なお、「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。
認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合
認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるとき
認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合
令和元年5月に成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」において、被扶養者認定における国内居住要件が新設されました。
このため、施行日(令和2年4月1日)以降は、被扶養者認定の際に、国内居住要件を満たしていることを確認し、認定後は、毎年実施する被扶養者再確認等により確認されることになっています。
また、施行日までの間に被扶養者認定を受けた者であって、施行日時点で国内に居住していない者については、施行日時点で適切な資格管理ができるよう、健康保険被扶養者(異動)届(国内居住要件の例外に該当する旨の確認又は該当しないことによる認定の取消に関するもの)提出を求めるなど、協会けんぽ等において必要な対応が行われます。
原則として、被扶養者となれるのは、日本国内に住民票を有する国内居住者です。
ただし、海外で就労しているなど、明らかに日本国内での居住実態がない場合は、要件を満たさないものと判断されており、日本に住所を有しないもののうち、日本に生活の基礎があると認められるものについては、例外的に要件を満たすこととされています。
つまり、国内居住要件の例外(海外特例要件)に該当する者の取扱いについて日本国内に住民票を有しない者であっても、次の表に掲げる「海外特例要件」に該当する場合は、国内居住者と同様に要件を満たす者として扱われます。
| 国内居住要件の例外 | 証明書類 |
|---|---|
| ① 外国において留学をする学生 | 査証、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し |
| ② 外国に赴任する被保険者に同行する家族 | 査証、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し |
| ③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する家族 | 査証、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し |
| ④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた家族(海外赴任中に生まれた被保険者の子ども、海外赴任中に結婚した被保険者の配偶者など) | 出生や婚姻等を証明する書類等の写し |
| ⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる家族 | 厚労省保険局に相談しつつ個別に判断 |
海外特例要件に該当する場合の認定手続きについて、海外特例要件に該当する者が被扶養者の認定を受ける場合には、「任意継続被保険者被扶養者(異動)届」等に海外特例要件に該当する旨を記載する必要があります。
その際、海外特例要件に該当することを証明する書類を添付する必要があります(証明書類が外国語で作成されている場合は、翻訳者の署名がされた翻訳文を添付します。)。
また、こうした事項に変更があった場合には、その都度、「任意継続被扶養者変更(訂正)届」で届出を行います。
以上、被扶養者の認定については、健保組合等がこれらの扶養条件を総合的に判断して行います。
また、認定後も、定期的に被扶養者に該当しているかについての調査を実施しています。
ただし、被扶養者の対象年齢は、75歳未満の人に限られます。
なぜなら、75歳以上の方は、「後期高齢者医療制度」によって健康保険に加入しなければならないためです。
厚生年金の扶養家族になるための条件
厚生年金の扶養家族になるための条件としては、以下のとおりです。
- 厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者
- 年収が130万円未満であり、かつ配偶者の年収の2分の1未満の方
厚生年金の扶養家族になるためには、以上の2つの条件を全て満たす必要があります。
【独身・別居でも対象】年金暮らしの親を扶養に入れる条件と注意点(75歳未満)
「独身で一人暮らしをしている」、「親と別居している」という場合でも、要件を満たせば年金受給者である親(75歳未満)を税法上の扶養親族に入れることができます。
扶養に入れることで、ご自身の所得税・住民税を軽減することが可能です。
以下では、具体的な適用要件と注意点(リスク)をわかりやすく解説します。
年金暮らしの親(75歳未満)を扶養に入れるための4つの条件
別居している親を税法上の扶養に入れるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
税法上、16歳以上であれば扶養控除の対象となりますが、70歳以上の親であれば「老人扶養親族」となり、控除額が加算されます。
- 70歳未満(65歳〜69歳): 扶養控除額 38万円(住民税 33万円)
- 70歳以上(75歳未満・別居): 扶養控除額 48万円(住民税 38万円)
公的年金受給者の場合、年金収入から「公的年金等控除」を差し引いた金額が「所得金額」となります。
65歳以上の親で年金以外の収入がない場合、年間の公的年金収入が「158万円以下」であれば、所得が48万円以下となり条件をクリアできます。
(※60歳〜64歳の親の場合は、控除額が下がるため年金収入「108万円以下」が基準となります)
別居していても、常に生活費や医療費・薬代などの仕送りを行っており、経済的に支えて生活しているという実態があれば「生計を一にしている」と認められます。
- 実務上のポイント: 振込口座の履歴や現金書留の控えなど、仕送りの事実を客観的に証明できる証拠(控)を残しておくことが必要です。
手渡しでの生活費は証拠が残らないため、税務調査等で否認されるリスクがあります。
例えば兄弟姉妹がいる場合、同じ親を重複して扶養に入れることはできません。
兄弟のうち1人だけが扶養控除を受けることができます。
年金暮らしの親を扶養に入れる際の注意点
税金面での節税効果が大きい一方で、以下の注意点・デメリットに留意する必要があります。
税法上の扶養(税金の節税)と、社会保険上の扶養(ご自身の健康保険に入れる等)は判定基準が異なります。
別居の親を健康保険の扶養に入れる場合、「親の年間収入が180万円未満(60歳以上・障害者の場合)」かつ「仕送り額が親の年間収入よりも多いこと」などが条件となります。
毎月相当額の仕送りが必要になるため、ハードルが高くなります。
親を自分の扶養に入れる(あるいは世帯分離等を調整する)ことで、世帯全体の所得水準が上がったとみなされる場合があります。
これにより、以下の負担が増加するリスクがあります。
- 高額療養費・高額介護サービス費の上限額が引き上がる(自己負担の上限が高くなる)
- 介護保険施設等の食費・居住費の減免措置(補足給付)が受けられなくなる
- 親の介護保険料率が上がり、保険料が高くなる
独身・別居であっても仕送り等の実態があれば、年金暮らしの親を扶養に入れて「節税」を図ることは極めて効果的です。
ただし、税金が年間数万円安くなったものの、親の介護施設費用や医療費の自己負担が年間十数万円増えてしまったという本末転倒な事態が生じるケースが少なくありません。
特に親が介護サービスを利用している場合や持病で定期通院・入院をしている場合は、税金の控除額だけでなく、医療・介護側の自己負担への影響までシミュレーションした上で判断することをお勧めします。
【2026年以降】社会保険の扶養基準はどう変わる?変更点を解説
なお、社会保険と税については、近年国会でも主要な議論の対象となっています。
そのため、今後もルールが変更されていく可能性があります。
ここでは、2026年4月以降に変更が予定されている点を解説します。
①一時的な残業なら130万円を超えても扶養を外れない!(2026年4月〜)
年収が130万円を超えるかどうかについて、これまでは「過去の収入」や「現在の月収」といった実際に支給される実績で判定されていました。
この場合、残業が生じた場合に130万円を超えるとして、年末に差し掛かるにつれ、働き控えが起こるという問題が生じていました。
そこで、2026年4月からは、契約書上の見込み年収が130万円未満であれば、一時的な残業で130万円を超えても原則として扶養を外れなくなります(予見可能性の向上)。
具体的なケースは今後の運用を見守る必要があります。
②社会保険の「106万円の壁」の撤廃(2026年10月〜順次)
社会保険には「130万円の壁」とは別に「106万円の壁」というものもあります。
これは、従業員が50名を超える企業で、かつ、週20時間以上で勤務する労働者については、月額8万8000円=年106万円を超える場合には社会保険に加入しなければならないというルールです。
このルールについては、最低賃金が上昇していることから、2026年10月に「月額8万8000円、年106万円」という要件が撤廃される予定です。
また、50名を超えるという従業員数についても、2025年6月から3年以内に段階的に縮小、撤廃されることになっています。
この改正により、最終的には、週20時間以上働く人は、収入の多寡にかかわらず勤務先の社会保険に入ることになり、扶養から外れる人が増えることが予想されます。
参考:よくあるご質問ー配偶者の扶養(第3号被保険者)のままで働けなくなるのですか?|厚生労働省
③学生の働き控えを解消!若年層(19歳〜23歳未満)の「150万円の壁」(2025年10月〜)
収入の壁による働き控えが大学生などの若い世代に広がってしまい、人手不足が深刻となっている状況が生まれたため、働き手の確保のため、19歳から23歳未満の若年層については、収入基準が130万円から150万円に引き上げられています。
社会保険上の扶養家族となるメリットとデメリット
社会保険上の扶養家族となるメリット
社会保険上の扶養家族となるメリットとしては、以下のものが挙げられます。
- 扶養家族は保険料を負担せずに健康保険に入れる
- 扶養する人の社会保険料は増えない
- 扶養家族は国民年金保険料を負担せずに年金を受給できる
社会保険は強制加入ですが、会社などの健康保険に入れない人は、原則的に国民健康保険に入って保険料を納める必要があります。
そのため、働いていない人にとっては、保険料の支払い負担が大きくなってしまう可能性があります。
しかし、家族の健康保険の被扶養者になれば、自分で保険料を払って社会保険に入る必要がなくなります。
例えば、妻が夫の会社の社会保険上の扶養家族となると、妻は保険料を支払うことなく健康保険の被扶養者となります。
健康保険の被扶養者は、医療機関を3割負担で受診することができます。
扶養家族自身が社会保険料を払わなくてよいというのは、大きなメリットといえるでしょう。
健康保険では、被扶養者がいても被保険者の払う保険料は、被扶養者がいない場合と同じです。
配偶者を扶養に入れた場合でも、厚生年金保険料が増えることはありません。
そのため、社会保険上の扶養家族になることで、家族単位での社会保険料の負担を抑えることができます。
親や子などの親族を健康保険の被扶養者にした場合、被扶養者自身の年金には影響はありません。
被扶養者が20歳以上60歳未満なら、国民年金の第1号被保険者として国民年金保険料を払う必要があります。
これに対して、配偶者の健康保険の被扶養者になった人は年金の第3号被保険者となり、国民年金保険料の納付義務がなくなります。
たとえば、夫の扶養に入った妻は、健康保険料のほかに、年金保険料についても負担義務がありません。
このように、配偶者の扶養家族は保険料を負担せずに年金を受給できるというメリットがあります。
社会保険上の扶養家族となるデメリット
社会保険上の扶養家族となるデメリットについては、以下のようなものが挙げられます。
- 扶養の範囲内で働く必要がある
- 年金の受給額が低くなる
社会保険上の扶養家族となる条件には、一定の収入以下である必要があります。
原則として、扶養家族の年間の収入が130万円未満である(扶養家族が60歳以上)必要があります。
そのため、社会保険上の扶養家族であることのメリットを享受しようとする場合には、一定の収入以下に抑えて働かなければならなくなります。
働いて稼げる能力や時間がある場合には、被扶養者にならずに働いた方が豊かな生活が送れる可能性があります。
厚生年金保険や共済組合などに加入している会社員や公務員の人を「第2号被保険者」、第2号被保険者の扶養になっている20歳から60歳未満の配偶者で、1年間の収入が130万円未満の人が「第3号被保険者」です。
扶養に入っている第3号被保険者が受け取ることができるのは、「老齢基礎年金」となります。
「老齢厚生年金」を受け取ろうとすると、配偶者の扶養から外れて自分で厚生年金に加入する必要があります。
また年金の上乗せ制度である「付加年金」や「国民年金基金」なども利用することができません。
そのため、将来受給できる年金が第2号被保険者と比べて少なくなります。
したがって、社会保険上の扶養家族のままでは、老後に受け取れる年金額が少なくなるというデメリットがあります。
扶養家族に入るための手続きと必要書類
税法上で扶養に入るための手続き
税法上の扶養に入るためには、給与所得者と自営業者とで手続きが異なります。
給与所得者が扶養控除を受ける場合には、勤務先に下の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出する必要があります。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出期限は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までです。
なお、当初提出した申告書の記載内容に異動があった場合には、その異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動の内容等を記載した申告書を提出する必要があります。
また、非居住者である親族に係る扶養控除または障害者控除の適用を受ける場合には、その年最後に給与の支払を受ける日の前日までに、その親族と生計を一にする事実を記載した上で提出する必要があります。
申告書に該当する事項等を記載した上、給与の支払者(勤務先)へ提出してください。
この申告書は、本来、給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出することになっています。
税法上で扶養に入るための手続きに必要な書類は、その他の書類も含めて以下でまとめていますので、参考になさってください。
- 扶養控除等(異動)申告書
- (年の中途で就職した方で前職のある方は)前の勤務先の源泉徴収票
- (非居住者である親族について扶養控除等を受ける場合には)戸籍の附票の写しなどの親族関係書類や送金関係書類
引用元:令和6年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|国税庁
引用元:引用元:非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ(令和7年6月)|国税庁
扶養控除等(異動)申告書の書き方
扶養控除等(異動)申告書の書き方については、以下のページで詳しく解説しています。
ぜひ参考になさってください。
社会保険で扶養に入るための手続き
被扶養者として社会保険(健康保険)の扶養に入るためには、被保険者の勤務先に下の「被扶養者(異動)届」や「被扶養者現況届」の書類を提出する必要があります。
また、16歳以上の人が扶養に入る場合は、収入の有無を証明する書類(在学証明書・雇用保険受給資格者証のコピー・離職票の原本・年金支払通知書のコピーなど)が必要となります。


「被扶養者(異動)届」と「被扶養者現況届」の書き方については、以下のページで詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。
社会保険で扶養に入るための手続きに必要な書類は、その他の書類も含めて以下でまとめていますので、参考になさってください。
- 被扶養者(異動)届
- 被扶養者現況届
- 収入要件確認のための書類(在学証明書・雇用保険受給資格者証のコピー・離職票の原本・年金支払通知書のコピーなど)
- 続柄を確認するための書類(住民票の写しなど)
- (別居している方の扶養の場合)仕送り額が確認できる書類
- (内縁関係の方の扶養の場合)内縁関係を確認できる書類(内縁関係双方の戸籍謄本、世帯全員の住民票など)
履歴書における扶養家族
履歴書における扶養家族の意味
履歴書には扶養家族について記載する項目・欄が設けられていることがあります。
それでは、履歴書における扶養家族とは、税法上の扶養家族、または、社会保険上の扶養家族のいずれを記載すればよいのでしょうか。
一般的に履歴書で扶養家族の有無を聞かれた場合は、健康保険上の被扶養者数を記載することになります。
雇用先の会社は、従業員が入社すると、給与に課税する所得税の計算、社会保険や福利厚生の手続きをします。
そのため、従業員が扶養する家族の状況で手続きの範囲が変わるため、事前にどの程度必要かを把握するため、履歴書の記入を求めるのです。
社会保険の扶養範囲は、75歳未満で原則は日本国内に住民票(生活基盤)のある三親等以内の親族(内縁や事実婚の配偶者含む)となります。
そこから同居か別居か、収入条件などにより、扶養に入れるかを認定します。
「配偶者」欄は婚姻関係にある人の有無で判断し、「配偶者の扶養義務」があるかは、被扶養者の対象範囲を参考にし、該当する場合は「有」、該当しない場合は「無」にチェックをいれます。
また、履歴書には扶養家族欄に『配偶者を除く』という注意書きがあるケースもあります。
この場合には配偶者欄に配偶者を記載すれば問題ありません。
パートナーとの関係が法律婚ではなく内縁関係=事実婚の場合は配偶者欄を使用できないため、扶養家族欄に相手の存在が分かるように記載しておきましょう。
配偶者が扶養家族から除かれている履歴書の場合は、配偶者の存在は配偶者欄を確認することで判明するため、扶養家族欄には「配偶者を除いた自分が扶養している家族」を書いておけば問題ありません。
就職活動や転職活動で履歴書を提出する理由は、扶養家族の有無を確認し、社会保険や税金などの計算に必要となる情報を提供するためであるため、現時点での状況を正確に記載することが重要です。
履歴書記載の扶養家族数とは?
「扶養家族数」欄に書く人数は、自分を含めずに扶養している家族の人数を記入します。
一般的な履歴書は「配偶者を除く」のただし書きがあるケースが多く、その場合は配偶者を除いた被扶養者の人数を記載します。
たとえば、あなたにお子さんが2人いて、すでに配偶者の扶養に入っている場合だと扶養人数は0人です。この場合、扶養家族欄には0人と記載しましょう。
更に、年齢が75歳以上の人は健康保険上の被扶養者となれないので、扶養家族数には含めないように注意しましょう。
事実婚の場合は、パートナーを被扶養者とすることができるので、扶養家族数に含める必要があります。
ただし、事実婚を証明することが条件となるため、別途証明書類(住民票など)を求められる場合があります。
いくらまで働ける?年収の壁と働き損にならないボーダーライン
パートやアルバイトで働く際、多くの方が気にするのが、いくらまでなら税金や社会保険で損をしないか(いわゆる年収の壁)という問題です。
近年の税制改正および社会保険制度の改正により、壁の仕組みと対策は大きく変化しています。
ここでは令和8年現在の最新状況をもとに、それぞれのボーダーラインを分かりやすく解説します。
【一覧表】税金と社会保険の「年収の壁」
| 年収の壁 | 種類 | 越えた場合の影響・変化 |
|---|---|---|
| 100万円〜110万円 | 税金(住民税) | 住民税の支払いが段階的に発生し始める |
| 106万円
【※2026年10月に段階的に撤廃予定】 |
社会保険 | 勤め先で社会保険への加入義務が生じる |
| 130万円 | 社会保険 | 家族の社会保険(扶養)から外れ、自身で国民健康保険・国民年金(または勤務先の社保)へ加入 |
| 178万円 | 税金(所得税) | 本人に所得税がかかり始め、配偶者控除・扶養控除が減額・外れる |
【令和8年最新】税金に関するボーダーライン
お住まいの自治体によって多少異なりますが、年収が約100万〜110万円を超えると本人に「住民税」が課され始めます。
ただし、数千円程度からの課税となるため、手取りが大きく減る心配はそれほどありません。
近年の税制改正により、従来の「103万円の壁」は段階的に引き上げられ、令和8年現在は「178万円」が所得税の新たな基準となっています。
- 年収178万円以下: 本人に所得税は発生せず、配偶者や親の「税法上の扶養」の対象のまま居られます。
- 年収178万円超: 超えた分に対して本人の所得税が課され、扶養する側の税額控除額が段階的に減少します。
社会保険に関するボーダーライン
税金以上に手取り額に影響するのが「社会保険の壁」です。
社会保険料は給与の約15%(折半後)と高額なため、手取りが減り、働き損となる可能性があります。
勤務先の規模(従業員51人以上など)や週20時間以上の勤務といった条件を満たす場合、月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上で社会保険への加入が必要でした。
- 2026年(令和8年)10月からの変更点
法改正によりこの「106万円(賃金要件)」が撤廃され、「週20時間以上勤務する労働者」は会社の従業員規模に応じて、段階的に勤務先の社会保険の加入対象となります。
勤務先での社会保険加入条件を満たさない場合でも、年収が130万円(月額約10.83万円)以上になると、配偶者や親の社会保険の被扶養者(第3号被保険者等)から完全に外れます。
この場合、自ら国民健康保険・国民年金に加入して保険料を全額負担(もしくは勤務先で社会保険加入)する必要が生じるため、年間で約20万〜30万円程度の保険料負担が発生します。
「働き損」にならないための3つの考え方
「手取りを減らさずに効率よく働く」ための実務的なアプローチは以下の3点です。
税金も社会保険料も払わず、配偶者等の扶養枠を最大限に活かしたい場合、税金の壁である「年収178万円未満」に抑えつつ、労働時間を「週20時間未満」にコントロールするのが最も確実なボーダーラインです。
社会保険(厚生年金・健康保険)に入る場合、年収が130万円〜150万円台だと保険料が引かれて「手取りの逆転現象(働き損)」が起きやすくなります。
しかし、厚生年金に入ることは「将来もらえる年金額が増える」「病気やケガの際の傷病手当金が出る」という大きなメリットがあります。
一時的な手取り減を気にするよりも、年収200万円以上を目指してしっかり働く方が、世帯収入も将来の保障も最大化できます。
労働時間を延ばしたり社会保険に加入したりした際、手取りが減らないように手当を支給する企業(キャリアアップ助成金等を活用している企業)で働くことも有効な選択肢です。
社会保険の適用拡大が進み、「扶養内で抑えて働く」ためのハードル(特に労働時間)は年々厳しくなっています。
単に「税金や保険料が引かれるから損」と考えるのではなく、社会保険に加入して手厚い保障や将来の年金を受け取るライフスタイルへ切り替えるか、あるいは完全に週20時間未満に抑えるか、中長期的な視点で働き方を設計されることを推奨いたします。
こんな時どうする?ケース別の扶養判定Q&A
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大学生の子どもがバイトで103万を超えたら?
親の税金への影響
19歳〜22歳の大学生世代(特定扶養親族)は、年収103万円を超えても、特定親族特別控除などの制度が適用されるため、親の税金が増えるリスク(働き損)は緩和されています。
年収136万円以下なら、満額の特定扶養控除が適用されるため、親の税負担は一切増えません。
年収136万円超〜197万円以下でも、「特定親族特別控除」により年収に応じて控除額が段階的に減少しますが、いきなり扶養控除がゼロにならないため、世帯全体の手取りが急減する心配は少なくなっています。
子ども本人の税金
所得税は「勤労学生控除」を使えば、年収178〜180万円程度まで非課税です。
住民税は自治体により年収100〜110万円程度から数千円かかり始めますが、少額にとどまります。
大学生のバイトで注意すべき「別の壁」
税金よりも注意すべきなのは「社会保険の壁(130万円)」です。
年収130万円(月約10.8万円)以上になると親の健康保険の扶養から外れ、本人が国民健康保険・国民年金に加入して年10数万円以上を負担するため、手取りが一時的に減る可能性があります。
103万円を過度に気にする必要はありませんが、扶養から外れる「130万円の壁」を意識して勤務ペースを調整するのがおすすめです。
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退職して失業保険をもらっている期間は?
他方で、社会保険上の扶養には、入ることができる場合と、外れる場合があります。
失業保険は非課税であるため、失業保険の金額のみで税法上の扶養が外れることはありません。
社会保険上の扶養に関しては、失業保険の日額が3612円未満であれば扶養に入ることができ、日額が3612円以上であれば扶養から外れることになります。
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離婚協議中の妻(別居)は扶養のまま?
税法上の扶養の条件に、上記で解説したとおり、「納税者と生計を一にしていること」というものがありましたが、これは仕送りなどで生活費を負担している場合も含まれます。
他方で、別居の妻が新しく就職して年収130万円以上になる場合は、基本的に社会保険上の扶養は外れることになります。
扶養家族についての注意点
税法上の扶養家族と社会保険上の扶養家族は手続きが異なる
税法上の扶養家族と社会保険上の扶養家族は異なる手続きが必要となります。
片方だけに扶養を入れるという選択肢も可能です。
まず、税金と社会保険の扶養手続きは連動していないため、別々に手続きを行う必要があります。
税金計算上の扶養に親族を入れるためには、納税者本人が勤務先で行う年末調整の際に扶養控除等申告書に親の情報を記載する必要があります。
他方で、社会保険の扶養に親族を入れる場合は、勤務先にその旨を申し出て、協会けんぽなどの関連機関へ手続きを行います。
これらの手続きは別個に行う必要があり、一方を済ませたからといって、他方の手続きが免除されることはありません。
このように手続きが異なることから、税金計算上のみ、または社会保険のみで扶養に入れることも可能です。
特に社会保険の扶養に関しては、上記で触れたようなデメリットもあるため、税金だけ扶養に入れるという選択肢も十分に検討に値します。
扶養家族の健康状態や就労状況など、各家庭の状況やニーズにあわせて考慮しましょう。
親を扶養家族にする場合の注意点
親を扶養に入れる際は、所得や年齢に注意しましょう。
60歳を超えて年金所得がある場合、税法上は所得控除の計算をする必要があり、また、健康保険との上限金額が違います。
年齢については、健康保険は75歳未満が対象のため、75歳以上の方は扶養には入れません。
75歳以上の方は後期高齢者医療制度に加入することとなります。
税法と健康保険の両方の扶養に入るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 扶養家族の年齢:75歳未満
- 扶養家族の収入:65歳未満の場合は「108万円以下」、65歳以上の場合は「130万円以下」
扶養家族についてのQ&A
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家族を扶養に入れるとはどういうことですか?
扶養控除の適用を受けられれば、その分、納める所得税が減るため、税金面で有利になります。
また、「家族を扶養に入れる」ということの社会保険上の意味は、「健康保険に加入している家族の被扶養者になる」ということです。
健康保険に加入している人(被保険者)は、自分で生計を立てられない家族を被扶養者にできます。
この場合、被扶養者は自分で公的医療保険に入る必要がありません。
家族の健康保険により、3割負担で医療機関を受診できます。
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扶養家族に妻は含まれますか?
したがって、配偶者については、税法上の扶養控除を利用することはできません。
ただしその代わりに、配偶者に関しては配偶者控除や配偶者特別控除といった税制優遇制度を利用することができます。
この場合の配偶者とは、法的に婚姻している夫婦のことを指し、内縁関係にある男女は含まれません。
以上に対して、社会保険上の扶養家族には、配偶者も含まれています。
社会保険上の扶養家族には、法律婚関係にある夫婦のほかに、内縁関係にある男女も含まれます。
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扶養家族は一緒に住んでいなくてもいい?
例えば、税法上の扶養は、「納税者と生計を一にしていること」(すなわち、生活費を主に負担していること)などの条件を満たせば、必ずしも同居は必要ではありません。
他方で、社会保険上の扶養は、同居が条件とされている親族(例:叔父や叔母)の方もいらっしゃるので、条件をよく確認する必要があります。
まとめ
この記事では、扶養家族について、税法上の扶養家族や社会保険上の扶養家族、履歴書における扶養家族の意味などについて解説しました。
税法上または社会保険上の扶養家族と認めてもらい、制度の恩恵を受けるためには適切な手続きを行う必要があります。
扶養家族について申告するためには、その手続きにおいて必要な書類を不備なく提出する必要があります。
ご自身の家族が扶養家族に該当しているのかどうかはっきりわからない、扶養家族として申請する手続きをスムーズに進めて欲しいという場合には、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。





