社会保険料率の早見一覧表【令和8年度最新版】

監修者:弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

社会保険料率の早見一覧表【令和8年度最新版】

社会保険料率は年度ごとに見直されることが多く、私たちの生活に直結する重要なものです。

令和8年度の社会保険料率は、法改正に伴い、事業主や従業員にとって重要な変更点が含まれています。

しかし、その計算方法や都道府県ごとの料率の違いなどについて、正確に把握するのは意外と難しいものです。

給与計算に関するトラブルを防ぐためにも、常に最新の数値を把握しておくことが大切です。

本記事では、令和8年度の最新の社会保険料率を、保険の種類別にひと目で確認できる「早見一覧表」としてまとめました。

この記事を使って、正確な給与計算と家計管理にぜひお役立てください。

社会保険料率とは?

社会保険料率とは、国が運営する社会保障制度を維持するために、会社員や事業主が支払う保険料を算出するための「掛け率」のことです。

毎月の給与や賞与の額面に対して、この「社会保険料率」を掛けることで、私たちが毎月支払わなければならない保険料の金額が決まります。

健康保険や介護保険、雇用保険の社会保険料率は、社会情勢のバランスを考慮し、一年に一度、4月に見直されることが一般的です。

社会保険料率は、社会保険の種類ごとに毎年細かな変動があり、実際、2026年度は雇用保険料や健康保険料の全国平均が微減しています。

給与明細をチェックする際に「健康保険料が変わった」と思ったら、この社会保険料率が改定されたタイミングであることが多いです。

私たちの生活を支える社会保険は、大きく分けて以下の5つの種類が存在します。

 

社会保険には5つの種類がある

一般的に「社会保険」と聞くと、健康保険や年金だけをイメージしがちですが、日本の社会保険制度は以下の5つの種類が存在します。

種類 内容
厚生年金保険 老後の生活や障害・死亡時に遺された家族の生活を支える
健康保険 病気やケガをした際の医療費の負担を軽減する
介護保険 介護が必要になった際、適切な介護サービスを受けられるようにする
雇用保険 失業時や求職中の生活や、育児休業中の生活を支える
労災保険 仕事中や通勤中のケガ、病気に対する補償を行う

 

 

厚生年金保険の保険料率

以下、厚生年金保険について、制度の詳しい内容と保険料率を解説します。

 

厚生年金保険とは?

厚生年金保険は、主に会社員や公務員が加入する年金制度です。

年金制度とは、老後、障害、死亡といった人生におけるさまざまなリスクに対して、社会全体で支えあう仕組みです。

日本の年金制度は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、厚生年金の二段構造になっています。

日本の年金制度

 

厚生年金保険の特徴

厚生年金は、国民年金に上乗せして支給されるため、老後の生活の補償が手厚くなります。

また、国民年金が老後の生活のみを支えるものであるのに対し、厚生年金は、加入者が病気やケガで障害が残った際の生活や、死亡時の遺族の生活に対しても年金が支給されます。

加えて、厚生年金の加入者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)は「第3号被保険者(専業主婦など、自身で保険料を納めなくても年金を受け取れる配偶者のこと)」となり、個別に国民年金の保険料を納めなくても老後に国民年金を受け取ることができます。

 

加入対象となる人

厚生年金保険の加入対象者は、会社員や公務員として働く70歳未満の人です。

パートやアルバイトの方でも、一定の勤務時間や賃金などの条件を満たせば加入対象となります。

加入者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)は「第3号被保険者」となります。

 

保険料の仕組み

加入対象者の給与や賞与の額に応じて保険料が決まります(報酬比例制)。

すなわち、収入が多いほど毎月支払う厚生年金保険料が高く、その分将来の受給額も増える仕組みです。

なお、厚生年金保険の保険料は、雇用主(会社)と本人が半分ずつ負担します。

個人の負担分は毎月の給与から自動的に天引きされます。

 

令和8年度(令和8年4月1日~令和9年3月31日)の厚生年金保険料率一覧表

区分 保険料率 個人負担の割合
厚生年金保険 18.3% 9.15%

厚生年金保険料率は、平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、平成29年に上限の18.3%に達して以降、現在は固定されています。

そのため、令和8年度も前年度から変更はありません。

厚生年金保険料は、毎月の給料や賞与(標準報酬月額)に共通の保険料率を掛けて計算されます。

厚生年金保険は、雇用主と本人が折半して支払うため、実際に個人が負担する保険料は二分の一の額になります。

 

 

健康保険の保険料率

以下、健康保険について、制度の詳しい内容と保険料率を解説します。

 

健康保険とは?

健康保険は、私たちが病気やケガをしたときに、安心して医療を受けられるようにするための公的医療保険制度です。

日本では「国民皆保険制度」がとられており、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することになっています。

 

健康保険の特徴

病院の窓口で健康保険証を提示することで、医療費の自己負担を原則として3割(年齢や所得によって1割〜2割)に抑えることができます。

また、手術や長期入院などで医療費が高額になった場合、1ヶ月の自己負担額に上限が設けられています(高額療養費制度)。

自己負担分以外の医療費は、私たちが毎月納めている保険料から支払われます。

他にも、病気やケガで働けなくなったときの「傷病手当金」や、出産したときの「出産育児一時金」なども、健康保険で補償されます。

 

加入対象となる人

種類 対象者
被用者保険 会社員、公務員、およびその扶養家族
国民健康保険 自営業者、フリーランス、退職者など

 

被用者保険の仕組み

健康保険組合、協会けんぽ、共済組合などの被用者保険(社保)の保険料は、加入者の給与を基準に算出されます。

月々の給与を一定の幅で区切った「標準報酬月額」と、賞与から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に、規定の保険料率を掛け合わせて計算します。

この保険料率には、医療費に充てる「基本保険料」や、高齢者医療を支える「特定保険料」、40歳以上の人が負担する「介護保険料」などが含まれています。

被用者保険では、事業主と従業員が保険料を半分ずつ支払います。

そのため、加入者本人の手取りから差し引かれる保険料は全体の半分(または組合規定の割合)となります。

 

国民健康保険の仕組み

国民健康保険(国保)の保険料は、加入者が住んでいる市区町村ごとに算出方法が異なります。

保険料の内容は、①病気やケガの治療費に充てられる「医療分」、②後期高齢者医療制度を支えるための「支援金分」、③40歳から64歳の人にのみ加算される「介護分」の合計です。

それぞれの区分の中身は、さらにいくつかの項目を組み合わせて決定されます。

主な項目は、加入者の前年の所得に応じて計算される「所得割」、加入者1人につき定額がかかる「均等割」、そして1世帯あたり定額がかかる「平等割」の3つです。

最終的な年間の保険料は、これらを合算した額となりますが、自治体ごとに設定された「賦課限度額(上限)」を超えることはありません。

 

令和8年度(4月納付分)からの健康保険料率一覧表

健康保険料率は、加入している健康保険組合によって異なり、医療費水準などによって毎年変動します。

協会けんぽの場合、全国一律ではなく、都道府県によって異なります。

令和8年度(4月納付分)からの協会けんぽの都道府県別の健康保険料率は、下表のとおりです。

都道府県 健康保険料率(令和8年度) 都道府県 健康保険料率(令和8年度)
北海道 10.28% 滋賀県 9.88%
青森県 9.85% 京都府 9.89%
岩手県 9.51% 大阪府 10.13%
宮城県 10.10% 兵庫県 10.12%
秋田県 10.01% 奈良県 9.91%
山形県 9.75% 和歌山県 10.06%
福島県 9.50% 鳥取県 9.86%
茨城県 9.52% 島根県 9.94%
栃木県 9.82% 岡山県 10.05%
群馬県 9.68% 広島県 9.78%
埼玉県 9.67% 山口県 10.15%
千葉県 9.73% 徳島県 10.24%
東京都 9.85% 香川県 10.02%
神奈川県 9.92% 愛媛県 9.98%
新潟県 9.21% 高知県 10.05%
富山県 9.59% 福岡県 10.11%
石川県 9.70% 佐賀県 10.55%
福井県 9.71% 長崎県 10.06%
山梨県 9.55% 熊本県 10.08%
長野県 9.63% 大分県 10.08%
岐阜県 9.80% 宮崎県 9.77%
静岡県 9.61% 鹿児島県 10.13%
愛知県 9.93% 沖縄県 9.44%
三重県 9.77%

参考:都道府県毎の保険料率|協会けんぽ

 

 

介護保険の保険料率

以下、介護保険について、制度の詳しい内容と保険料率を解説します。

 

介護保険とは?

介護保険とは、加齢によって生活支援や介護が必要になった際、ひとりひとりが自立した生活を送れるよう、社会全体で支え合うための公的な社会保険制度です。

 

介護保険の特徴

介護保険は、40歳以上のすべての国民が加入して保険料を支払います。

被保険者の認定を受けると、訪問ヘルパーやデイサービス通所などの在宅サービスや、 特別養護老人ホームや介護老人保健施設入所などの施設サービスを受けることができます。

 

加入対象となる人

40歳になると、自動的に加入対象者となります。

保険料は、加入している保険組合の医療保険(健保・国保など)と合わせて徴収が始まります。

 

介護保険料の仕組み

第1号被保険者(65歳以上)の場合、住所がある市区町村が定める「基準額」に、本人の所得に応じた「調整率」を掛け合わせて保険料を算出します。

そのため、同じ所得であっても、自治体ごとに保険料が変わるのが特徴です。

第2号被保険者(40歳から64歳)の場合、給与や賞与の額(標準報酬月額など)に「介護保険料率」を掛け合わせて保険料を算出します。

国民健康保険に加入している自営業者などは、所得や世帯人数、資産などをもとに各自治体が算出した額を納付する仕組みです。

 

令和8年度(4月納付分)の介護保険料率一覧表

区分 保険料率 個人負担の割合
介護保険 1.62% 0.81%

介護保険料率は、健康保険と同様に加入している保険組合(協会けんぽ、組合健保など)によって異なり、保険料率は毎年見直されます。

協会けんぽの令和8年度(4月納付分)の介護保険料率は、全国一律で1.62%です。

また、介護保険料も、事業主と従業員が保険料を半分ずつ支払います。

そのため、加入者本人の手取りから差し引かれる介護保険料は全体の半分(または組合規定の割合)となります。

協会けんぽ以外の保険組合に加入している方は、所属する健康保険組合のウェブサイトをご確認ください。

 

 

雇用保険の保険料率

以下、雇用保険について、制度の詳しい内容と保険料率を解説します。

 

雇用保険とは?

雇用保険とは、労働者が失業した際や、仕事を続けることが困難になった際の生活を支え、再就職を後押しするための社会保険制度です。

単純な失業時だけでなく、育児や介護による休業、職業教育訓練への支援など、働く人を幅広く支える制度です。

 

雇用保険の特徴

雇用保険は、以下の場合に補償を受けることができます。

  • 何らかの理由で失業や離職したとき
  • 育児のために休業したとき
  • 家族を介護するために休業したとき
  • 厚生労働大臣が指定する職業教育訓練の講座を受講・修了したとき

 

加入対象となる人

「1週間あたりの労働時間が20時間以上」かつ「31日以上継続して雇用される見込みがある」という条件を満たす場合、正社員・パート・アルバイトに関わらず、原則として雇用保険への加入が義務付けられています。

 

雇用保険料の仕組み

雇用保険の保険料は、「賃金の総額」に、国が定める「雇用保険料率」を掛け合わせて算出します。

ここでいう「賃金総額」とは、基本給だけでなく、残業手当、通勤手当、役職手当などの各種諸手当もすべて含まれます。

事業の種類(一般、農林水産、清酒製造の事業、建設業)によって異なる保険料率が適用されます。

保険料は、事業主と労働者の双方が負担しますが、料率は事業主側の負担が少し重くなるよう設定されています。

 

令和8年度の雇用保険料率一覧表

雇用保険料率は、業種(一般、農林水産・清酒製造の事業、建設業)によって異なります。

令和8年度の雇用保険料率は下の表のとおりです。

 

令和8年度の雇用保険料率
事業の区分 本人負担 事業主負担 合計(保険料率)
一般の事業 0.5% 0.85% 1.35%
農林水産・清酒製造の事業 0.6% 0.95% 1.55%
建設の事業 0.6% 1.05% 1.65%

 

 

前年度の雇用保険料率との比較

令和8年度の雇用保険料率は、令和7年度と比較して全業種で一律0.1%引き下げとなりました。

具体的な変化としては、労働者負担分と事業主負担分がそれぞれ0.05%ずつ軽減されました。

これは、雇用保険の財源となる「失業等給付」の財政状況が安定していることを受けた改定と考えられます。

 

 

労災保険の保険料率

以下、労災保険について、制度の詳しい内容と保険料率を解説します。

 

労災保険とは?

労災保険とは、業務中や通勤途中に発生したケガ、病気、障害、あるいは死亡に対して、労働者やその遺族を保護するために給付を行う制度です。

労働者を一人でも雇用している事業所には加入が義務付けられています。

 

労災保険の特徴

労災保険は、正社員だけでなく、パート、アルバイト、派遣社員、日雇い労働者など、雇用形態を問わずすべての働く人が対象となる保険制度です。

保険料は全額会社(事業主)が負担し、 労働者の給与から天引きされることはありません。

 

労災保険料の仕組み

労災保険料は、全従業員の年度内の賃金総額に労災保険料率を掛け合わせて算出されます。

賃金総額とは、役員(取締役)など、労災保険に加入できない人の分の賃金を除く、全ての従業員に支払った賃金の総額のことをいいます。

 

令和8年度の労災保険率等一覧表

労災保険料率は業種細目ごとに細かく設定されており、全54業種に及ぶため、ここでは代表的な業種を抜粋します。

令和8年度の労災保険料率は、令和7年度の料率から変更はなく、据え置きとなっています。

 

令和8年度 労災保険料率一覧
業種区分 保険料率
金融業、保険業、不動産業 0.25%
卸売業・小売業、飲食店、宿泊業 0.3%
通信業、放送業、新聞業、出版業 0.25%
食料品製造業 0.55%
金属材料品製造業(鋳物業を除く) 0.5%
ビルメンテナンス業 0.45%
建築事業(既設設備工事業を除く) 0.95%
道路貨物運送業 1.1%
林業 6.0%

参考:労災保険料率|厚生労働省

 

 

社会保険料を自動計算ツールでシミュレーション

社会保険料が実際にいくらになるかの計算は、非常に複雑でわかりにくいものです。

ここでは、社会保険料がいくらになるかを確認したいという方のために、無料で自動計算できるサービスをご提供します。

この自動計算機能では、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、介護保険料を算出できます。

以下の必要項目を入力することで、保険料をシミュレーションできます。

  1. ① 月収(基本給、残業代、通勤手当などの合計額)
  2. ② お住まいの都道府県
  3. ③ 年齢(40歳以上かどうか)
  4. ④ 業種(一般、建設、農林水産など)
  5. ⑤ 加入している保険組合

また、この自動計算ツールでは、従業員が負担する分だけでなく、会社が負担する分も確認することができます。

加えて、毎月の給与から引かれる社会保険料だけでなく、賞与(ボーナス)から引かれる社会保険料の概算も確認できます。

社会保険料の概算を確認されたい方は、ぜひご活用ください。

※なお、この自動計算ツールは、簡易迅速に社会保険料を算定することを目的としているため、例外的な事案や個別事情を考慮していません。

シミュレーションの結果は参考程度にとどめ、正確な社会保険料については専門家にご相談ください。

自動計算ツールを利用されたことにより生じた不利益な結果や損害などについては、一切責任を負いかねますので予めご了承ください。

 

 

社会保険料率についてのQ&A

社会保険料率についてお調べの方からよく寄せられる疑問について、Q&A形式で回答します。

社会保険料率が変更されるタイミングとは?

主に「国が定めた料率変更の時期」と「あなたの給与額が変わったタイミング」の2つがあります。

例えば、健康保険・介護保険は毎年3月分(4月の給与天引き分)から、雇用保険・労災保険は毎年4月分からなど、保険の種類によって、保険料率が変更される時期が定められています。

このように、国が定める社会保険料率変更のタイミングで、保険料率が変更される可能性があります。

また、あなたの給料の額(標準報酬月額)が変わったときも、保険料率が変わる可能性があります。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、社会保険料率について、それぞれの社会保険制度の仕組みを踏まえつつ解説しました。

社会保険には、年金保険、医療保険、雇用保険、労災保険及び介護保険という5つの種類があります。

社会保険料率は毎年見直しがされているため、給料面でのトラブル等を防ぐためにも、その都度確認するのが大切です。

この記事が社会保険にご関心がある方のお役に立てれば幸いです。

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