弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

従業員が退職した後に、会社に対して損害賠償請求をしてくることは、最近ではそれほど珍しいことではありません。
しかしながら、自社の従業員から実際に損害賠償請求を受けたことはない会社もあるかと思います。
この記事では、会社が、元従業員から退職後に損害賠償請求を受ける場合や、反対に、元従業員に対して会社が損害賠償請求をするケースについて、労働問題に詳しい弁護士が解説していきます。
元従業員との間の損害賠償請求に関する問題に興味がある方は、ぜひ参考になさってください。
目次
退職後に会社が損害賠償を請求されるケースとは?
不当解雇の場合
解雇が無効と判断される場合を、「不当解雇」と呼ぶことがあります。
しかし、解雇が無効であったとしても、必ずしも損害賠償責任を生じさせるものではありません(※)。
解雇に関連して損害賠償請求が認められるケースとしては、解雇が不法行為(民法709条)に該当する場合に、慰謝料の支払いが認められる場合があります。
判例 不当解雇が違法とされた裁判例
事案の概要バス会社に勤務する運転手が、出庫点呼時のアルコール検知で反応が出たとして、諭旨解雇とされた事案です。
当初作成された点呼記録や聞き取り記録では「酒気帯びに至らない反応」である旨が記載されていました。
しかし、その後上司によって記載内容が修正・差替えされ、酒気帯び状態であったとする内容に変更されていました。
この修正は、通常のアルコール分解速度からして不合理な内容でした。
裁判所の判断(京都地判平成22年12月15日)裁判所は、上司が改変した書面を元に諭旨解雇が決定され、運転手に反論等を行う機会を与えなかったと認定しました。
その上で「こうした手続経過は、通常の解雇手続で行われるべき手順を逸脱しているものと評価せざるを得ない」として、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料50万円の支払いを命じました。
参考判例:京都地判平成22年12月15日|裁判所ホームページ
解雇が無効である場合でも、違法と判断されるケースはそう多くはありません。
この裁判例では、解雇の判断の前提となる書面が改変され、解雇された従業員に知らされなかったという点が重視されたと思われます。
解雇を行うに当たっては、手続の面も丁寧に進める必要がありますので、注意が必要です。
違法な退職勧奨を行った場合
退職勧奨とは、会社が従業員に対して、自ら退職するよう働きかける行為のことです。
退職勧奨は法令で禁じられた行為ではないので、それ自体直ちに違法にはなりません。
しかしながら、執拗に退職を求めたり、名誉を毀損するような形で退職勧奨が行われた場合には、違法となる可能性があります。
退職勧奨が違法とされた裁判例
判例
事案の概要被告法人においては、平成16年4月1日から、退職勧奨実施要綱に基づき、年度初めに、当該年度3月31日現在で50歳以上かつ勤続年数20年以上の職員を対象に、退職勧奨を行っていました。
原告は、平成19年2月から複数回退職勧奨を受けていましたが、平成22年9月17日に、退職勧奨には一切応じない旨の回答をしました。
しかし、被告は、平成22年9月21日以降も、特段退職金等の条件を変えることなく、退職勧奨を継続しました。
裁判所の判断(神戸地姫路支判平成24年10月29日)裁判所は、退職勧奨が違法になるか否かの基準として、「手段・方法が社会通念上相当と認められる範囲を逸脱しない限り、使用者による正当な業務行為としてこれを行い得る」との判断枠組みを示しました。
その上で、「自分で行き先を探してこい。」「管理職の構想から外れている。」「ラーメン屋でもしたらどうや。」などの発言は、原告の名誉感情を不当に害すると評価しました。
また、原告が退職勧奨に応じない姿勢を明確にしたにもかからわらず、繰り返し退職勧奨を行ったことは、「執拗で原告に対して不当な心理的圧力を加えるものである」と評価しています。
裁判所は、結論として、退職勧奨は違法であり、他の違法な出向命令等も合わせて、慰謝料として100万円の支払いを命じました。
退職勧奨を行う際は、名誉を毀損するような言動はしてはいけません。
また、何ら新たな条件等を示すことなく、執拗に退職勧奨を継続することも違法となるおそれがあります。
なお、退職勧奨が違法と判断された場合に、認められる慰謝料の額としては、20万円~30万円程度の場合が多いです。
慰謝料だけを見ると、金額としては大きくないかもしれませんが、退職自体が無効となってしまう恐れがありますので、慎重な対応が求められます。
また、そもそも、違法な退職勧奨を行わないというだけでなく、退職にどうやって合意してもらうかという点も重要です。
退職勧奨に合意してもらうためには、労働問題に詳しい弁護士に相談することが非常に有効です。
安全配慮義務違反(ハラスメント・長時間労働など)
退職前にハラスメントを受けていた、長時間労働により精神疾患を発症した、などと主張され、会社がなすべき安全配慮義務に反したとして、損害賠償請求がなされることがあります。
ハラスメントについて損害賠償請求が認められた裁判例
判例
事案の概要裁判所が事実と認定したハラスメント行為のうち主要なものは、以下の表のとおりです。
| 時期 | 場所・状況 | 認定された事実(行為および背景) |
|---|---|---|
| 平成7年9月頃~ | 社内(お茶汲み場等) | 加害者は「○○さんのこと心から好きです」などと記した手紙を、人目のない場所で原告に繰り返し手渡した。また、手紙以外にも口頭で「好きだ」と言い寄った。原告が拒絶の態度を見せると、部下を通じて残業をさせないよう指示するなどの圧力をかけた。 |
| 平成8年3月7日 | 仙台出張 | 夜間、加害者は原告の部屋に入り込み、布団に押し倒して下着を剥ぎ取り、乳房を触る、抱擁するなどの行為に及んだ。 |
| 平成8年6月 | 社内 | 「仙台出張の土産」と称して女性用スカーフを手渡した。 |
| 平成10年4月頃~ | 社内 | 人目のない隙を見て、原告の肩に触れたり、右の脇の下に手を入れたりする行為を繰り返した。 |
会社は、加害者の言い分を鵜呑みにし、被害者からの申告に対し、原告へのヒアリングや調査をしませんでした。原告は、平成14年12月20日に会社を退職しました。
裁判所の判断(青森地判平成16年12月24日)裁判所は、加害者のセクハラ行為について、慰謝料200万円の支払いを命じました。
また、加害者のセクハラ行為によって、退職後少なくとも1年間は再就職が困難になったとして、退職後1年間の給与相当額の支払いも命じました。
ハラスメント行為が悪質な場合は、この裁判例のように、慰謝料だけでなく、退職後の逸失利益(ハラスメントがなければ得られるはずであった利益)も一定範囲で損害賠償を命じられる可能性があります。
また、損害賠償請求だけでなく、SNSへの書き込み等が行われる可能性があるなど、ハラスメントは、企業の評判に大きく影響を与える可能性があります。
従業員からハラスメントの申出があった場合には、しっかりと調査を行い、調査結果に応じた対応を取ることが重要です。
退職後に元従業員に損害賠償を請求するケースとは?
競業避止義務違反(ライバル企業への転職)
元従業員が、競業避止義務を負っているにもかかわらず、会社と競合する会社に転職した場合に、元従業員に損害賠償請求をするケースがあります。
競業避止義務違反に基づく損害賠償請求が認められた裁判例
判例
事案の概要被告の元従業員は、以下の内容の誓約書を原告会社に提出していました。
「貴社を退職した後、理由のいかんにかかわらず2年間は、在職時に担当したことのある営業地域(都道府県)並びにその隣接地域(都道府県)内の同業他社(支店・営業所を含む)に就職をして、あるいは同地域にて同業の事業を起こして、会社の顧客に対して営業活動を行ったり、代替したりしない」
しかし、元従業員は、会社を辞めた後、競業他社とフランチャイズ契約を締結し、営業活動を行いました。
原告会社は、元従業員が競業行為により顧客のうち36件を解約させたものであり、同数の顧客を新たに獲得するために必要な費用が損害に当たるとして、約437万円を請求しました。
裁判所の判断(東京地判平成14年8月30日)裁判所は、競業避止義務違反があったと認定しました。
その上で、損害の額について、「奪取された当該顧客との取引で得ていた利益を基本とすべき」とし、120万円の損害を認めました。
そもそも、日本国憲法上、職業選択の自由が認められていることとの関係で、競業避止義務が有効か否かという問題があります。
裁判例では、禁止される行為の内容が必要最小限にとどまっており、競業が禁止されることによる不利益に対する代償措置が十分に取られている場合には、競業避止義務が有効と判断される傾向にあります。
また、競業避止義務違反が認められたとしても、損害がどの範囲で認められるかという点が問題となります。
損害の認定について、どこまで認められるか明確な基準が存在しないため、裁判所の判断を予測することは難しい状況にあります。
営業秘密・顧客情報の不正持ち出し(秘密保持義務違反)
元従業員が、会社の秘密を社外に持ち出したような場合には、秘密保持義務違反を理由として損害賠償請求することがあり得ます。
在職中の情報持ち出しについて損害賠償請求が否定された裁判例
判例
事案の概要元従業員は、会計事務代行業務等を目的とする株式会社及び税理士法人で、税務スタッフとして勤務していました。
就業規則には、服務心得に関する条項に「会社の業務上の機密および会社の不利益となる事項を他に洩らさないこと」など、秘密保持に関する内容が定められていました。
元従業員は、退職前に、顧客からの受任業務を処理するのに費やした作業時間数が日々の欄に記載されている表形式の文書データを、会社から持ち出していました。
会社は、代表取締役であるAにおいて、本来の税務・営業活動等に従事することができなくなった時間が生じ、その時間に別紙記載の各項目の業務を行うことができなくなって、利益を喪失したと主張しました。
裁判所の判断(東京地判平成27年3月27日)裁判所は、上記の文書データについて、秘密保持義務で保護される「業務上の秘密」に該当するとして、元従業員の秘密保持義務違反を認めました。
しかし、裁判所は、損害が認定できないとして、損害賠償請求を棄却しました。
会社の秘密が従業員に持ち出された場合の対応として、損害賠償請求は1つの選択肢です。
しかし、秘密保持義務違反で損害賠償請求をするためには、そもそも秘密保持義務が有効な内容になっている必要があります。
また、この裁判例で損害が認められなかったように、秘密の持ち出しによって生じた損害を立証することは簡単ではありません。
不正競争防止法では、「営業秘密」(2条6項)又は「限定提供データ」(2条7項)に該当する情報については、損害額を推定することができる旨を定めています(5条)。
したがって、重要な情報については、不正競争防止法の保護対象になるようにしておくことがよいです。
元従業員による勧誘・引抜き行為
元従業員が、会社の他の従業員に対して、転職の勧誘や引抜きを行った場合に、損害賠償請求することが考えられます。
しかしながら、転職の勧誘は、憲法上認められた営業の自由の下で行われるものです。
したがって、勧誘・引抜き行為が違法として損害賠償請求が認められる場合は、一定の場合に限られます。
勧誘・引抜き行為に対する損害賠償請求が認められた裁判例
判例
事案の概要この裁判例の事案は、派遣会社Aの営業課長が、在職中に、別の派遣会社Bを立ち上げて、従業員の引抜きを行ったというものです。
営業課長は、勧誘の際、派遣会社Aのスタッフに対し、派遣社員Aよりも良い労働条件を提示していました。
また、「派遣会社Aには内緒で動いてくれ。」、「派遣会社Aに退職の旨伝えなくていい。」、「全て話を付けているので安心してきてほしい。」などと話していました。
さらに、派遣会社Aの顧客である派遣先会社に対しては、派遣スタッフの移籍は、派遣会社Aも了承済みである旨説明していた。
裁判所の判断(令和3年4月16日)- ① 今回問題となった引き抜き行為が、いずれも派遣先企業を変えずに、派遣元企業だけを変えたものであること(派遣会社Aが新たなスタッフを派遣することが事実上不可能であること)
- ② 営業課長が、在職中に、競合会社を立ち上げて収益を上げていたこと
- ③ 営業課長が、スタッフや派遣会社Aの顧客に対し、今回の移籍は派遣会社Aも了解しているなどの問題のある話をしていたこと
- ④ 派遣会社Aのある営業所では、スタッフ数・粗利ともに引き抜き行為によって減少していること
また、裁判所は、損害について、次の式で算定するとしました。
「引き抜きがされた雇用スタッフの「売上高(派遣料金)(ただし、消費税抜き)」
- 「賃金総支給額(ただし、交通費込み)」
- 「各種保険料のうち会社負担分」
さらに、損害を認める期間については、移籍したスタッフの契約期間が1か月から3か月契約であったことなどから、3ヶ月に限るとしました。
裁判所は、引き抜かれた従業員が退職せずに在籍していたのであれば、その従業員が稼いだであろう利益から、引抜きによる退職で不要となった人件費を差し引いた額を損害として認める傾向にあります。
この裁判例では、移籍したのが派遣社員であったので、「その従業員が稼いだであろう利益」の算定は比較的簡単でした。
しかし、通常の正社員などの場合には、「その従業員が稼いだであろう利益」の算定は簡単でないと思われます。
退職時の引継ぎ義務の不履行
元従業員が、退職する際に、音信不通になってしまうなど、引継ぎを十分に行わなかった場合に、損害賠償請求を行うことがあり得ます。
退職時の引継ぎ義務の不履行に基づく損害賠償請求が認められた裁判例
判例
事案の概要この裁判例は、パチスロ等に係るソフトウェア開発の業務にプログラマーだった元従業員が、何ら引継ぎを行わずに突然失踪し、連絡がつかなくなったという事案です。
会社は、以下の損害が生じたと主張しました。
- ① 元従業員が失踪したことにより発生した外注費用500万円
- ② 元従業員が失踪したことにより失注した額として、4496万6875円
裁判所の判断(令和3年4月16日)裁判所は、従業員が退職する際に、「自らが担当していた控訴人の業務の遂行に支障が生じることのないよう適切な引継ぎ(それまでの成果物の引渡しや業務継続に必要な情報の提供など)を行うべき義務」を負っていると判断しました。
そして、元従業員がこの義務に違反したとして、損害賠償請求を認めました。
裁判所は、損害として、合計480万円を認めました。
最近は、退職代行サービスの増加など、引き継ぎを行わずに退職してしまう事例が増えています。
この裁判例は、退職の際に引継ぎを行わなかった元従業員に対し、損害賠償請求を行う余地を認めた点で重要です。
ただし、実際に発生した損害を立証できなければ、損害賠償請求は認められませんので、注意が必要です。
元従業員による在職中のミス
元従業員が、在職中に、業務上のミス等を引き起こして、会社に損害を与えた場合に、損害賠償請求をすることが考えられます。
ただし、損害全額の賠償が認められるケースは多くありません。
裁判例では、以下の考慮要素を踏まえ、多くの場合に、損害賠償請求が認められる範囲を制限しています。
「事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情」
会社の予防策が不十分であったとして損害賠償請求を否定した裁判例
判例
事案の概要被告は、クレーン車の運転等に従事していた従業員であり、会社が所有するユニッククレーン車を運転していたところ、走行中に事故を起こしました。
被告は、事故についての賠償金として、会社に対し、合計42万円を支払っていました。
しかし、会社は、これを上回る損害が発生していたとして訴えたものです。
裁判所の判断(福岡高那覇支判平成13年12月6日)裁判所は、修理代等合計169万6201円を損害として認めました。
しかしながら、裁判所は、従業員が以前業務中に事故を起こしていたことから、会社が保険の見直しや対策をすべきであったにもかかわらず、会社がこれを怠ったことを指摘しました。
結果として、すでに支払っていた42万円を超える損害賠償請求は認めませんでした。
この裁判例のように、従業員のミスであっても、会社が適切な予防策や保険への加入を怠っていたような場合には、損害賠償請求が制限される可能性があります。
実際のミスの発生や損害を抑えるためにも、保険も含めた対策が十分か、日ごろから検討しておくことが重要です。
なお、従業員が、在職中に、横領や背任などの不正行為を行ったケースについては、損害賠償請求が制限されることはありません。
退職後の損害賠償請求の方法
任意(示談)交渉による解決
退職後に元従業員が損害賠償請求を会社にする場合、また、会社が元従業員に対して損害賠償請求をする場合に、多くの場合は、まず「任意交渉(示談交渉)」を行います。
任意交渉は、弁護士を就けずに行うこともできますが、多くの場合は、弁護士を代理人にしたうえで、弁護士から書面を出します。
任意交渉で話がまとまらなかった場合には、請求をあきらめるか、法的手続での解決を図ることになります。
法的手続き

訴訟
法的手続で代表的なものが「訴訟」です。
訴訟も弁護士を就けずに行うことができますが、訴訟を進めるには専門的な知識が必要になるため、弁護士を就けることをお勧めいたします。
訴訟をしている間も、裁判官から、和解を勧められることがあります。
和解がまとまらなければ、「証人尋問」を行った後、判決によって、請求が認められるか否かの判断が示されます。
第1審での判決に納得がいかない場合は、高等裁判所へ控訴して、別の裁判官の判断を得ることができます。
また、高等裁判所の判断にも納得いかない場合には、最高裁判所への上告、または上告受理申立てという手段があります。
労働審判
「労働審判」とは、訴訟に似た手続きですが、原則として最大3回の期日で紛争の早期解決を図る手続です。
裁判官である「審判官」と、労働分野に詳しい「労働審判員」2名(会社側1名・従業員側1名)で構成される労働審判委員会が、会社側と従業員側の双方の言い分を聞いたり、証拠を調べたりして、話し合いによる解決を目指します。
したがって、従業員側は、基本的に、話し合いによる解決を目指す場合に、労働審判を利用します。
労働審判は、第1回目の期日で当事者の主張や証拠の提出を出し尽くすことが前提の手続であるため、会社側は、労働審判が申し立てられたことがわかったら、速やかに準備をしなくてはなりません。
また、期日では、事案についてよく知っている会社の担当者などが出席することになり、事実関係について審判官らから質問を受けることになりますので、その事前準備も必要になります。
十分な準備をしなけれれば、有効な反論を行えず、会社にとっては大変不利な状況になります。
民事調停
民事調停とは、労働審判と似ていますが、話合いによって紛争の解決を目指す裁判所の手続きです。
訴訟や労働審判と異なり、裁判所による判断が示されることはなく、話合いがまとまらなかった場合には、「調停不成立」として、手続が終了します。
退職後に損害賠償請求されたときの会社の対応法とは?
すぐに弁護士に相談する

元従業員から損害賠償請求を受けた場合、初動が非常に重要です。
訴訟や労働審判などの法的手続に発展してしまえば、費用や対応に要する負担も発生してしまいます。
弁護士にすぐに相談することで、任意交渉でまとめておくべき事案か、交渉に応じるべきでないかなど、事案に応じた適切な方針を決めることができます。
元従業員から請求が来た場合には、その請求が一定の理由がありそうなものか、事実関係を調査し、精査する時間が必要です。
弁護士に相談するのが遅くなってしまうと、元従業員が、法的手続に移行してしまうおそれもあり、速やかな対応が重要です。
退職後の損害賠償請求を防止するための対策とは?
日常から適切な労務管理を行うこと
元従業員が、会社に対して、損害賠償請求をすること自体は自由ですので、これを完全に防ぐのは難しいです。
しかし、日常から適切な労務管理を行うことで、そのリスクを下げることができます。
また、仮に請求されたとしても、これに応じざるを得ないという事態を防ぐことにもなります。
退職後の損害賠償請求の相談窓口
経験豊富な弁護士
退職後の損害賠償請求の相談窓口(相談場所)は、基本的に弁護士しか想定できません。
労働問題は、取り扱う内容が幅広く、また、従業員という人を相手にする法分野であることから、経験豊富な弁護士に依頼することが非常に有益です。
また、労働問題は、トラブルが起きてから弁護士に相談するのでは遅いことがほとんどです。
日常から、労務管理について弁護士に相談しておくことで、トラブルの発生を予防できま
すし、いざというときも、安心して対応を任せることができます。
退職後の損害賠償請求についてのQ&A
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パワハラで退職した後に損害賠償を請求できますか?
また、パワハラが原因で精神障害を発症し、仕事を休まざるを得ないという事態になれば、休業損害や治療費などの損害賠償も求めることができます。
ただし、労基署に労災申請をして、これが認められている場合には、労災保険でカバーできない部分のみ、損害賠償を求めることができます。
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引き継ぎせずに退職したら損害賠償は請求できますか?
ただし、会社は組織ですので、裁判所からは、従業員が退職したとしても対応できる対応を取っておくべきであったなどとみられる可能性もあります。
また、失踪してしまったような場合には、任意交渉を行ったり、訴訟などの法的手続をとる際にも支障が生じます。
したがって、会社としては、突然社員が失踪したとしても、事業に大きな影響が出ないようにしておくことが無難です。
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退職時の誓約書に違反すると損害賠償請求される?
しかし、実際に生じた損害を立証できなければ、裁判所では損害が認められないとして、損害賠償請求が棄却されてしまいます。
また、競業避止義務を負わせる誓約書や、守秘義務条項については、定め方によっては無効とされてしまうおそれがあります。
一度、既存の書式を見直し、法的に有効な誓約書となっているか点検し、場合によっては弁護士に相談することが有益です。
まとめ
以上のように、元従業員から損害賠償請求を受けたり、元従業員に対して会社から損害賠償請求をするケースはいろいろ考えられます。
いずれのケースについても、金銭の支払いを求める損害賠償請求に関する対応は、早めに弁護士に相談することが非常に有益です。
デイライトでは弁護士ごとに注力分野を設けており、労働問題に強い弁護士も多数在籍しています。
豊富な解決実績があり、Zoomなどのオンライン相談も活用していますので、全国対応も可能です。
労働問題に注力した弁護士がご相談に対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。







