弁護士コラム

市場の魅力度の分析

経営戦略
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・MBA・税理士・エンジェル投資家

指標のイメージ画像企業が新規事業や海外進出などの多角化を計る上で、「市場の魅力度」と「優位性構築の可能性」は、押さえてくべき重要な判断要素です。

ここでは、「市場の魅力度」の具体的な分析方法について、ご紹介します。

市場の魅力度とは、簡単にいえば、その事業が儲かるかどうかということです。

事業の魅力度を計る尺度としては、事業の市場規模、市場の成長性、産業の収益性、収益変動のリスク、国際化の可能性などがあります。

市場の成長性を考えるとき、事業ライフサイクルの理解は非常に有益です。

これは、「ある製品や市場は、必ず誕生から衰退までの流れを持ち、その段階に応じてとるべき戦略は異なる」とする考えて、①導入期②成長期③成熟期④衰退期の4段階があります。

ライフサイクル

①導入期

新しい製品が市場に投入され、その価値や効用が顧客に認知されてくる段階です。

まだ競合企業・商品が少なく、競争以上に市場拡大効果があるとされます。
価格は高いが、顧客が少なく売上高が少ないという特徴があります。

この時期には、シェア拡大と将来の競合対策を準備しておく必要があります。

絶対的な優位性を確保するための流通チャネルの構築や、消費者にとっての利点・特徴が強調できるように販促の整備や製品改良を行なうなどです。

 

②成長期

製品が市場に浸透し、顧客層が増加するの同時に新規参入が増えます。

売上高の増加で利益が出てきます。

キャッシュフローもプラスに転じますが、他社との競争が激しくなるため、差別化を図る必要があります。

また、この時期に、次の製品開発にとりかかったり、新製品の導入を進めていくことにより、継続的な経営戦略の進行が図れる。

 

③成熟期

売上高は低成長に転じ、利益も低下しますが、投資額が少ないためキャッシュフローはプラスになります。

競争が激化するため、競争上の優位性が築けなければ敗者となります。
業界構造は固定化し、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得して、低価格を武器に販売量を拡大する戦略がしばしばとられます。

小規模な企業は生き残るために、特定セグメントに集中する戦略をとることが多いです。

 

④衰退期

市場が完全な飽和状態となりだんだん衰退していく段階です。

通常、衰退したあとまた上昇するということはあり得ないため、他の商品のライフサイクルなど経営の視点から考慮し、事業全体の収益を考えながら撤退の方向を考えます。

イノベーションによる新たな価値が創造されることもあります。

 

 

   
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属/福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格/弁護士・税理士・MBA

専門領域/法人分野:労務問題、ベンチャー法務、海外進出 個人分野:離婚事件

実績紹介/福岡県屈指の弁護士数を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。労働問題を中心に、多くの企業の顧問弁護士としてビジネスのサポートを行なっている。『働き方改革実現の労務管理』「Q&Aユニオン・合同労組への法的対応の実務」など執筆多数。


カテゴリ「経営戦略」の弁護士コラム

  • 競合 弁護士 西村裕一 経営戦略 
    一度成功した企業が衰退していくという話は意外に多く耳にします。当事務所では小売業の企業の皆様をサポートする弁護士としては、単純に売上高だけを見るのではなく、既存店舗の売上高成長率といった指標も踏まえて...[記事全文]
  • IT企業 弁護士 西村裕一 経営戦略 
    小売業界で起こりうる法律問題として、人事をはじめとする労務問題、サービスに関する景品表示の問題などが生じます。 また契約交渉や会社の組織構造もしっかりと検討する必要があります。こうした問題について、...[記事全文]
  • ビジネスマン 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    企業の経営資源は、ヒト、モノ、カネと言われます。 どれも、経営を行う上で、不可欠の資源ですが、モノ、カネは経営のツールであり、それを使いこなすヒトは競争力の源泉といえます。弁護士がマネジメントチームに...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    近年、企業戦略において、M&Aやアライアンスの持つ重要性が高まっています。特に、他国への進出、多角化の局面において多用される傾向にあります。M&Aとはとは、合併や企業買収。合併とは、復数の企業が法的に...[記事全文]
  • グローバル 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    企業が新規事業や海外進出などの多角化を計る上で、「市場の魅力度」と「優位性構築の可能性」は、押さえてくべき重要な判断要素です。ここでは、「優位性構築の可能性」の具体的な分析方法について、ご紹介します。...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    将来、日本市場は縮小していくことが予想されます。要因として大きいのは、人口の減少で、日本市場の行末を考えると、優良成長企業が市場を海外に求めグローバル化していくことは、選択肢の一つして、検討すべきでし...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    企業が新規事業や海外進出などの多角化を計る上で、「市場の魅力度」と「優位性構築の可能性」は、押さえておくべき重要な判断要素です。具体的な分析方法について、ご紹介します。市場の魅力度とは、簡単にいえば、...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    経営戦略を策定するためには、外部分析による市場機会と脅威の発見と、内部分析による自社の強みと弱みの発見が重要です。ここでは、内部分析のためのフレームワークについて解説します。なお、外部分析についてはこ...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    経営戦略を策定するためには、外部分析による市場機会と脅威の発見と、内部分析による自社の強みと弱みの発見が重要です。ここでは、具体的な外部分析のためのフレームワークについて解説します。外部分析はいくつか...[記事全文]
  • 弁護士 宮崎晃 経営戦略 
    戦略とは、“事業の目的を達成するために、持続的な競争優位性を確立すべく構造化された施策の集合”である。これは、戦略の意義を教科書的に説明したものです。他方、戦略について、戦略とは“捨てること”戦略とは...[記事全文]
企業の相談は初回無料

無料相談の流れ

オンライン相談