弁護士コラム

組織変革のマネジメント

組織論

変革の必要性

ビジネスのイメージ画像いかに優位性を持つ企業であったとしても、時間の経過とともに、外部環境が変化し、競合企業によって優位性を脅かされる危機的状況に立ちます。

特に、現在は、AI(人工知能)など、急速な技術の進展によって、この外部環境の変化のスピードは加速されています。

大企業、中小企業を問わず、一度の成功で、永遠に安住し続けられるということは絶対にありません。

企業は、常に外部環境の変化に応じて自ら変革していかなければなりません。

この変革は、むしろ、大企業の方が難しいといえます。

なぜならば、大企業ほど、過去の成功体験が大きいがために、外部環境の変化に気づかず、変革の必要性を感じていないことが多いからです。

また、大企業のマネージャークラスは、変革によって既得権益を失うため、痛みを伴う自発的なアクションは起こりにくいという傾向にあります。

いわゆる大企業病といえます。

さらに、日本の企業は、組織が曖昧で、人格的・集団的性格が強い、エンパワーメントが不十分、といった特徴があることから、コントロールが難しいといわれています。

このような変革を阻害する要因は根強く、多くの企業の自己変革を阻んでいます。

これを打ち破るには、トップの本気を知らしめ、本気の議論、無成約の発想を促すことが必要となります。

 

組織分析のフレームワーク

組織変革を検討する際、有益なフレームワークのうち、代表的なものをご紹介します。

マッキンゼーの7S

このフレームワークは、組織を動かしていくには、①戦略、②組織、③社内システムといった、経営者が意図的に変えられる要素(3つのハードのS)だけではなく、④価値観、⑤経営スタイル、⑥人材、⑦社内ノウハウといった容易には変えがたい要素(4つのソフトのS)も分析する必要性を示しています。

マッキンゼーの7S
このフレームワークは、企業変革の諸要素を示しています。

すなわち、変革のためには、まず、①戦略を決め、②組織化を図り、③社内システムをつくることが必要です。これは比較的着手しやすいでしょう。

しかし、変革にとって重要なのは、その他の4つを実行できるかです。

これらを実行するためにはトップダウン式では変化が難しく、経営トップはもちろん、ミドルマネージャー等を含めた社員のリーダーシップが必要となります。

 

レビンの変革プロセス

レビンの変革プロセス

 

コッターの8段階変革プロセス

1 危機意識を高める

危機意識を高め、問題や機会を「何とかしなければ」という話し合いが始まるようにする。変革を最初からつまずかせる現状不満や不安、怒りを抑える。

2 変革推進チームをつくる

変革を主導できるだけの適正と権限を備えた適切な人材を集める。互いが信頼しあい、結束して行動できるようにする。

3 適切なビジョンをつくる

分析と財務を柱とする計画の立案や予算の策定を超える動きを促す。変革を主導するような心躍るビジョンを掲げる。大胆なビジョンを実現するため、変革推進チームが大胆な戦略を描けるようにする。

4 変革のビジョンを周知徹底する

変革によって何を目指すのか、明確で確信が持て、しかも心に響くメッセージを伝える。心のそこから支持されるようにすれば、それが行動に反映される。言葉で示し、行動で示し、新しい情報技術を活用するなどして、コミュニケーションのチャネルを整理し、混乱や不信を取り除く。

5 従業員の自発的な行動を促す

ビジョンや戦略に心から賛同する人たちの障害になっているものを取り除く。組織の障害とともに、心の障害が取り除かれれば、行動が変化する。

6 短期的な成果を生む

短期間で成果を上げて、皮肉や悲観論、懐疑的見方を封じ込める。これで変革に勢いがつく。目に見える成果、明確な成果、心に訴える成果を生むよう心がける。

7 さらに変革を進める

ビジョンが実現するまで、変革の波を次々と起こす。危機意識の低下を容認しない。心の壁など変革の難しい部分を避けてはならない。不要な仕事を削り、変革の途上で燃え尽きるのを防ぐ。

8 変革を根付かせる

行動を企業文化に根づかせることによって、伝統の力で過去に引き戻されるのを防ぎ、新たなやり方を続ける。研修や昇進人事、感情の力を利用して、集団の規範や価値観を強化する。

 

 


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