弁護士コラム

民事裁判手続きのIT化推進へ

IT法務

民事裁判手続き、IT化が進む方針

裁判いまの法律では、訴訟をする場合、訴状や準備書面の提出は書面によることとされています。また、当事者や証人は裁判所に集まって審理しなければなりません。

最高裁は、インターネットを通じた書面の提出や、テレビを使った審理の拡充などのIT化を推進する方針をとりました。

記録民事訴訟を提起する際、原告側は、裁判所用に1通、相手方送達用に1通の計2通の訴状、証拠書類を提出しなければなりません。その後のやりとりは主にFAXでなされ、期日が進むごとにどんどん紙が増えていきます。そして事務所の棚がどんどん紙で埋め尽くされていきます・・・。

期日当日は、100ページ以上になる書類を持参することになるため、キャリーケースをゴロゴロいわせてやってくる弁護士も多くいます。

当事者や証人の尋問が行われる際は、遠方地を除き、裁判所に出頭しなければならないため、期日の日程調整が難しく、次回が数か月先となることも少なくありません。

IT化が進めば、紙がなくなる他、審理の迅速化が図られることとなります。

一方、アメリカや韓国ではすでにIT化が進んでいます。

 

アメリカ・韓国での裁判手続き

海外まず、アメリカのある州では、「ペーパーレスの訴訟記録」という視点からシステムを構築し、年間25万ドルのマイクロフィルム作成費、裁判所職員の人員、書類保管倉庫の削減に成功し、作業空間を増加することができました。

次に、韓国では2010年2月26日に制定された「民事訴訟等における電子文書の利用等に関する法律」が、2011年5月2日に一般民事裁判にも適用されるようになり、電子裁判手続が実施されています。

この韓国の手続きにおいては、スクリーンに原告提出書類リスト、被告提出書類リストが表示され、裁判官、代理人、傍聴人がスクリーンに表示された訴状、準備書面、書証をみることができるようになっています。

日本では、公開の法廷を謳うものの、当事者や裁判官がどのような内容の書面のどの部分を見ているかはまったくわからないため、特に民事裁判については、膨張に行ったところで何を審理しているのか理解できないことの方が多いといえます。

様々な分野で急激にIT化が進む昨今、日本の裁判手続きはかなり遅れを取っている状況でした。

弁護士本村安宏今回の最高裁におけるIT化方針の決定により、無駄の削減はもちろん、審理の迅速化が進められるのではないかと思います。

日本でもそのうち、タブレットだけを持って入廷する弁護士が増える日が来るかもしれません。

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