弁護士コラム

アマゾンに景品表示法違反で措置命令

その他
執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者

弁護士近年小売業を席巻して、急速な勢いでシェアを伸ばしているアマゾンですが、平成29年12月27日、消費者庁から景品表示法違反の指摘を受けました。消費者庁の発表によれば、アマゾンのサイトで販売されている商品のうち、クリアファイル、ブレーキフルード、甘酒の3商品に問題があったとされています。

違反とされた要因について

具体的には、商品紹介の項目に記載されている「参考価格」が一般消費者への提示を目的としてしない価格を表示していたり(クリアファイル)、メーカーの希望小売価格よりも高い価格を表示していたり(ブレーキフルード)、1本分の値段ではなく、6本分の価格を表示していた(甘酒)というものです。

アマゾンは、あくまで「参考価格」としていますが、消費者庁は、この「参考価格」は、利用者が実際の販売価格の安さを判断するときに、目安として意識している表示であり、上記のクリアホルダーに関しては、90%OFFの商品で、非常にお得であると誤解してしまうおそれがあると認定しています。

こうした表示については、景品表示法で、有利誤認表示として取締りの対象になっています。有利誤認表示とは、通常の取引よりも著しく有利(お得)と消費者に誤解させる広告をいいます。

※画像は、消費者庁のプレスリリースから引用

 

弁護士今回の「参考価格」が実際に取引実績のある価格やメーカーの希望小売価格であれば、おそらく問題なかったのですが、取引実績がなかったり、メーカー小売希望価格よりも高い金額を任意に設定していたり、1本の販売に当たって、6本分の価格との割引率を記載していた点が違法とされた要因と考えられます。

今回、アマゾンには消費者庁から、当該広告が不当表示であったことを広く周知するような措置を命じるとともに、アマゾンの社員にも周知し、再発防止策を講じるように命令が出されています。課徴金は課されていません。

実は、今回のアマゾンのように、景品表示法による措置命令を受けている企業が今月は多くなっており、アマゾンは今月に入って7例目になります。

これから年末年始に当たって、「初売りセール」といった割引セールや福袋などが様々な小売店やショッピングサイトで実施、販売されます。

小売業界の企業にとっては、その年を占う一大イベントなわけですが、セールに際しても、今回のような二重価格による不当表示が問題とならないよう十分に配慮しなければなりません。

有利誤認表示について詳しくは、こちらをご覧ください。

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